ClaudeやChatGPTに自分の文章を
フィードバックしてもらうことがあります。
「ここの論理が飛んでいます」
「この表現は曖昧です」
そう言われても、全然腹が立たない。
むしろ「なるほど」と思って、素直に直します。
でも、同じことを人から言われたら、
多分少し反発したくなる。
同じ内容なのに、です。
この差は何なのか。
組織のフィードバックを考えるうえで、
ここに大事なヒントが
詰まっていると思っています。
相手がAIだと「お前やれよ」と思わない
家で、家族にこう言われる場面を
想像してください。
「またスマホばっかり見てるね」
一瞬で、少しイラッとする方が多いはずです。
でも、同じスマホが
こう通知してきたらどうでしょう。
「今週のスクリーンタイムは、
先週より15%増えています」
何も思わない方も多いはずです。
むしろ「あー、たしかにちょっと見すぎたな」
と素直に受け止める。
言われていることは、ほぼ同じです。
それなのに、受け取り方はまったく違う。
なぜか。
家族に言われると、
心の中でこう返したくなるからです。
「そっちだって見てるじゃないか」
「自分のことは棚に上げて」
でも、AIには言い返しようがない。
AIはスマホを見ません。
家族と違って、評価もしない。
こちらが何度同じミスをしても、
同じトーンで返してくれる。
相手が合理的で、感情がなく、評価していない。
この前提があるから、
内容だけが素直に届くのです。
人のフィードバックには余計なものが乗っている
人から指摘を受けるとき、
私たちは内容そのものに
反応しているわけではありません。
言い方、タイミング、これまでの関係性。
「前にも同じこと言ったよね」という蓄積。
「自分は棚に上げて」という反発。
内容ではなく、文脈に反応しているのです。
部下が上司の指摘を素直に受け取れないのも、
同じ構造です。
指摘そのものが嫌なのではなく、
指摘に乗っている余計なものが嫌。
だから、内容だけ見れば
正しいフィードバックでも、
跳ね返されてしまう。
体の管理でも、同じことが起きました
最近、自分の体でも同じことを経験しました。
40代に入って体重が気になり始めたとき、
ChatGPTに食事や体調を
毎日報告するようになりました。
「今日のPFCバランスはこうです」
「脂質をもう少し控えた方がいいです」
そう淡々と返ってくる。
素直に従えました。
結果として、半年で体脂肪率は
8%台まで落ちました。
その時の話はこちらの記事に書いています👇

家族や友人から
「食べすぎじゃない?」「運動しなよ」
と言われていたら、たぶん響かなかった。
「うるさいな」で終わっていたと思います。
でもAIは違いました。
評価せず、感情を乗せず、
ただ事実を返してくれる。
だから、
自分の都合に合わせて言い訳することができない。
健康でも、組織でも、
同じ構造が働いているのだと思います。
AIに学ぶ、フィードバックの設計
AIのフィードバックを観察していると、
共通点が見えてきます。
事実だけを返す。
評価を混ぜない。
感情を乗せない。
何度聞いても、同じトーンで答える。
これを人が完全に再現するのは、
正直なところ無理です。
人には感情があるし、過去の記憶もある。
でも、意識するだけで、伝わり方はかなり変わる。
「これはAIならどう伝えるか」と一瞬考えるだけで、
言葉が変わってきます。
では、人間の上司は何のためにいるのか
ここで一つ、疑問が出てきます。
AIの方が冷静にフィードバックできるなら、
人間の上司の役割は何なのか。
ここに転換点があると思っています。
フィードバックの「正確さ」や「冷静さ」は、
これからAIに任せていい時代になります。
人間がそこで勝負しても、たぶん勝てません。
では、人間にしかできないことは何か。
それは、想いを伝えることだと思います。
「信じている」
「期待している」
「よくやった」
これは言葉だけの話ではありません。
普段からどう接しているか、
困ったときに本当に時間を割いてくれるか、
相手の成長のために何をしてくれているか。
言葉と行動の両方で積み重ねた想いがあるから、
伝わるのです。
AIには、この積み重ねがありません。
だから、AIに「信じている」と言われても響かない。
逆に、信頼や期待を行動で示し続けてきた
上司の言葉には、
自然と力が宿ります。
これからの管理職に求められるのは、
この使い分けです。
事実を淡々と伝える役割は、AIに任せていい。
人間は、想いを言葉と行動で
伝える役割に集中する。
この役割分担ができている組織は、
強くなっていくはずです。
こういう視点は、これからの管理職に必要だと思う
正直に言うと、私自身も
まだできているわけではありません。
ただ、AIとのやり取りを通じて、
フィードバックという行為そのものを
見直す機会が増えました。
AIは、フィードバックの教科書として
かなり優秀だと思います。
これから、AIに触れる経営者や管理職は
どんどん増えていきます。
そのとき、AIを単なる業務ツール
としてだけ使うのか、
自分のコミュニケーションを磨く相手
として使うのか。
ここで差が出てくるはずです。
まず、AIに同じことを言わせてみる
難しいことはありません。
まずは、試してみてください。
部下に指摘をする前に、
同じ内容を一度AIに投げてみる。
「こういう状況で、こういう指摘をしたい。
どう伝えたらいいか」
そう聞くだけで、
AIは淡々とした言い回しを返してくれます。
それを参考に、自分の言葉に翻訳して伝える。
たったこれだけで、
伝わり方はかなり変わるはずです。
そして何より、自分自身が
「ああ、こう言われると素直に聞けるな」
という感覚を蓄えていく。
その感覚こそが、これからの組織を動かす
フィードバックの土台に
なっていくと思っています。
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