弱みを直しても、組織は普通にしかならない

スタッフと話しをするとき、気づくことがあります。
つい「できていないこと」から話し始めてしまう。
改善点を先に探して、そこを埋めようとしてしまう。
でも、それだけでは何かが足りない。
そう感じるようになりました。
弱みの改善は大切です。
でも、強みを伸ばすことはもっと大切かもしれない。

今日はその話をします。

ほとんどの人は、弱みに目を向けすぎる

人は自然と、欠点や劣っている部分が気になります。
自信がない部分ほど、頭に残る。
例えば、こんな場面。
上司から「この資料、わかりやすかったよ」と言われても、
「でも、あの計算ミスがあったな」と引きずる。
褒められた事実より、できなかった部分の方が記憶に残る。
自身を評価するとき、改善点はすぐに出てくるのに、
強みはなかなか出てこない。
そういう人は多いです。
これは本能的なもので、悪いことではありません。
課題を認識することは、成長の出発点です。
ただ、そこだけに意識が向くと、
「弱みを直すこと」にエネルギーのほとんどを使ってしまいます。

弱みを直しても、「普通」にしかならない

弱みを改善することには、意味があります。
致命的な弱点があるなら、そこは直さなければなりません。
でも、冷静に考えてほしいのです。
弱みを直してたどり着く場所は、せいぜい「平均」です。
苦手が「普通」になるだけ。
そこに、突き抜けた強みは生まれません。
弱みの改善は、マイナスをゼロにする作業です。
ゼロをプラスにするのは、強みを伸ばすことでしか起きません。

スポーツで考えると、わかりやすい

野球で考えてみます。
走攻守すべてが平均的な選手と、
打撃だけ桁違いに優れているが守備は下手で足も遅い選手。
チームとして、どちらが価値があるでしょうか。
多くの場合、後者です。
「あいつがいれば、点が入る」という存在感は、
オールラウンドな選手にはなかなか出せません。
ただ、野球はここで終わりではありません。
守備が下手なら、守りが得意な選手が補えばいい。
足が遅いなら、走るのが速い選手が代走に出ればいい。
一人が全部できなくていいのです。
足だけ速い選手、守備だけ抜群に上手い選手、打つだけの選手。
それぞれが自分の強みを発揮して、弱みを補い合う。
そういう組織の方が、全員がそこそこできるチームより、
たいていは強いし、相手にとっても脅威となります。
サッカーも同じです。
点を取るのが得意なストライカーに、守備まで求める必要はない。
守り切るディフェンダーに、ドリブルで抜いてこいとは言わない。
役割が違うし、強みが違う。
だから噛み合うのです。
組織というのほそういうものです。

強みは必ずある。ただし、自分では気づきにくい

「自分には強みがない」という人がいます。
でも、僕はそう思っていません。
強みとは、自分が「当たり前」にできることの中にある
ことがほとんどです。
例えば、初対面の人とすぐ打ち解けられる人。
本人は「誰でもできる」と思っている。
でも、できない人には本当に難しい。
数字を見ると違和感にすぐ気づく人。
本人は「当然のこと」と思っている。
でも、それは立派な強みです。
苦労せずにできてしまうから、大したことじゃないと思っている。
でも周囲から見ると、それが明らかに
「この人ならでは」だったりします。
自分の強みは、自分が一番見えにくいのです。
だからこそ、他者の目が必要です。

メンバー同士で「いいところ」を話し合ってみた

先日、事務所でひとつ試みました。
メンバー同士で、お互いの良いところをディスカッションする
時間を設けたのです。
やってみると、想像以上に好評でした。
「そんなふうに見てもらえていたのか」という気づきが、
あちこちで生まれました。
自分では当たり前だと思っていたことが、
他のメンバーには強みとして映っていた。
この体験を通じて、改めて思いました。
強みは、誰かに言語化してもらって初めて見える。
自己評価だけでは、弱みにしか目が向かないことが多いのです。

組織は「補完」で成り立てばいい。それをデザインするのが経営者の仕事。

全員が全部できる必要はありません。
得意なことを伸ばして、苦手は誰かが埋める。
みんながそれぞれの強みで貢献して、弱みはチームで補い合う。
それが「組織でやる」ことの本質だと思っています。
1人ひとりが完璧である必要はない。
完璧を目指すより、
「誰が何で貢献できるか」を把握する方が、ずっと大切です。
ただ、補完し合う組織は、放っておいては生まれません。
誰の強みが何か、把握する。
その強みが活きるポジションに置く。
弱みを責めるのではなく、補える体制をつくる。
これは意図してやらないと、起きません。
自然には生まれない。
だから、これが経営者や管理職の仕事です。
強みに気づかせる。
強みを活かす場をつくる。
弱みを誰かが補える構造にする。

この3つを意識して動けているか、僕自身まだ問い続けています。

今日できること

難しいことは何もありません。
今日、一つだけやってみてください。
自分自身、またはスタッフの
「当たり前にできていること」を一つ書き出す。
すごいことじゃなくていい。
「なんとなくこれが得意」くらいで十分です。
それが、強みを見つける入り口になります。
弱みを直すことも、もちろん大切です。
でも、強みを伸ばすことの方が、
組織にとっても、個人にとっても、
圧倒的に速く、大きな変化を生みます。


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この記事を書いた人

新美 敬太のアバター 新美 敬太 代表税理士

「経営を楽しむ」という想いを大切に、日々経営者の皆さまと向き合っています。
税務・会計だけでなく、同じ目線で悩みや挑戦を共有しながら、一緒に考え、進んでいくことを大切にしています。
私自身も一人の経営者として、まだまだ成長の途中です。
だからこそ、うまくいくことも、迷う時間も、すべて含めて寄り添える存在でありたいと思っています。
経営の中にある楽しさや可能性を感じていただけるように。
これからも、皆さまと一緒に歩んでいきます。

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