AIで申告書は作れても、経営の伴走までは代替できない

今はもう、情報格差の時代ではありません。
調べようと思えば、
知識もノウハウもすぐに手に入る時代です。
しかも今は、AIを使えば
調べる、整理する、要約する、たたき台を作る、
こうしたことまで一気にできるようになりました。
昔よりも、情報にたどり着くハードルは
確実に下がっています。
それでも、人生の差や会社の差はなくならない。
むしろ広がっているように
見えることすらあります。
その正体は、
情報格差ではなく体験格差なのではないか。
そんなことを強く感じました。

きっかけは、
子どもの体験格差に関する動画を見たことでした。
内容がかなり現実的で、
少し胸が苦しくなりました。
同時に、これは子どもだけの話ではなく、
大人にも、会社にも、そして税理士業界にも
そのまま当てはまる話だと思いました。

今、日本で起きている「体験格差」

今の日本では、家庭の経済状況によって、
子どもたちが学校の外で経験することに
大きな差が生まれています。
習い事、スポーツ、旅行、音楽、自然体験。
こうした経験の差は、
単に思い出の差ではありません。
どんな世界を知っているか。
どこまで自分の未来を想像できるか。

その差につながっていきます。
これは贅沢な悩みではないと思っています。
「自分には選択肢がある」と感じられるか。
それとも、「どうせ無理」と
最初から視界を閉ざしてしまうか。
体験格差の怖さは、そこにあります。

本当に怖いのは、「やりたい」と思う前に諦めること

子どもは、親の事情をよく見ています。
だからこそ、言わなくなることがある。
やりたいことがあっても、最初から諦める。
言えば困らせるかもしれないから、
望まないふりをする。
僕は、ここが一番怖いと思っています。
体験が少ないこと以上に怖いのは、
挑戦する前に諦める感覚
が身についてしまうことです。
やったことがないことは、
やりたいこととして浮かびにくい。
見たことがない世界は、
自分には関係ないものに見えてしまう。
これは子どもだけではなく、
大人にも普通に起きることです。

AIでは埋められない差がある

AIは本当に便利です。
知識を集める。要点をまとめる。
文章のたたき台を作る。
こうしたことは、
以前より圧倒的に平等になってきました。
税務でも会計でも、
「まず自分で調べる」は
かなりしやすくなっています。
でも、AIは体験そのものまでは
代わってくれません。
人に会うこと。現場に行くこと。失敗すること。
こうした部分は、結局まだ人がやるしかない。
AIは知ることは助けてくれても、
経験することまでは代行してくれない。
だからこれから差を生むのは、
AIを使えるかどうかだけではなく、
AIで止まる人AIを使って動く人
違いだと思っています。

大人も会社も、情報量ではなく体験量で差がつく

これは大人の世界でも同じです。
新しい場所に行く人。新しい人に会う人。
学びにお金を使う人。
一方で、いつもの場所、いつもの人、
いつもの考え方の中だけで
回り続けることもあります。
会社も同じです。
AIやDXの情報を集める会社は増えました。
でも、実際に運用を変える会社は
そこまで多くありません。
会議では前向きでも、現場では何も変わらない。
これは本当によくある話です。
結局、差を生むのは情報量ではなく、実装量です。
理解している会社より、動いた会社が強い。
よく言われる1.01の法則のようなもので、
毎日1%でも体験を積み重ねる側と、
そうでない側では、数年後に見える景色が
大きく変わっていきます。

税理士の価値も、「申告書作成」から「経営伴走」へ移っていく

この流れは、税理士業界でも
かなり大きいと思っています。
正直に言えば、
申告書を作ること自体のハードルは
今後もっと下がる
はずです。
AIもソフトも進化して、
情報もさらに開かれていく。
誰でもそれっぽいものは作れる時代は、
もうすぐそこです。
でも、会社経営は
申告書を作って終わりではありません。
数字をどう見るか。資金繰りをどう考えるか。
社長の頭の中をどう整理するか。
ここは、情報だけでは埋まりません。
だからこそ、これから価値が残るのは、
継続的に会社を見て、
経営の横で伴走できるかどうか
だと思っています。

社外CFOという形でその価値を提供していきたい

うちで言えば、これから大切なのは、
社外CFOという形で
代替しにくい価値を提供していくこと
だと思っています。

担当者がいて、
継続的にCFO的な役割で関わっていく。
月次の数字を見ながら社長と一緒に考え、
必要なときにすぐ相談できる。
過去の処理だけではなく、次の意思決定を支える。
こういう価値は、
簡単には代替されにくいはずです。
もちろん、最初からここまで
明確に言語化できていたわけではありません。
ただ、うちがオンラインに
大きく振り切っていった時点で、
感覚的には分かっていた気がします。
単なる作業の受け渡しで勝負するなら、
いずれ価格競争になる。
オンライン化したのは、
移動時間を削るためだけではありません。
その分、社長の悩みを聞き、
共に考える対話の質を高める時間を
つくるためでもありました。

AI時代ほど、大人の背中が問われる

子どもはやっぱり、大人の背中を見ています。
子どもに「挑戦しなさい」と言うより前に、
自分がどう生きているかの方が
ずっと伝わると思います。
情報があふれる時代になっても、
人生を変えるのは情報そのものではありません。
最後に差を生むのは、
何を知っているかより、何を体験してきたかです。
子どもも、大人も、会社も同じです。
AI時代だからこそ、
知るだけで終わらず、体験する側に立つ。
僕自身も、そうありたいと思っています。


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この記事を書いた人

新美 敬太のアバター 新美 敬太 代表税理士

「経営を楽しむ」という想いを大切に、日々経営者の皆さまと向き合っています。
税務・会計だけでなく、同じ目線で悩みや挑戦を共有しながら、一緒に考え、進んでいくことを大切にしています。
私自身も一人の経営者として、まだまだ成長の途中です。
だからこそ、うまくいくことも、迷う時間も、すべて含めて寄り添える存在でありたいと思っています。
経営の中にある楽しさや可能性を感じていただけるように。
これからも、皆さまと一緒に歩んでいきます。

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