車はリースか購入か—経営者が選ぶべき判断基準

会社で車が必要になったとき、
「経費にできるならどれでもいいや」
と思っていませんか?

実はその選択が、数年後の
「銀行融資の審査」や「会社の資金繰り」に
大きく影響します。

特に経営者の方から、
「一括購入」「ローン」「リース」
のどれがベストか、という質問は
本当によく聞かれます。

結論から言えば、
「どれが得か」ではなく、
会社の資金状況と目的によって
最適解が変わるということです。

今日はそれぞれの特徴を、
経営者目線で整理していきます。

一括購入:キャッシュに余裕がある場合のみおすすめ

一括購入のメリットは、
利息がかからず総支払額が最も少ない点です。

また、購入した車は
固定資産として計上し、
減価償却という計算方法によって
年々経費化していきます。

法人は原則「定率法」、
個人事業主は「定額法」で計算します。

定率法の場合は初年度に多くの金額を
経費化できるため、結果的に
節税につながる場合もあるという仕組みです。

たとえば新車600万円(耐用年数6年)の場合、
初年度に約200万円を経費化できます。

ただし、一括購入は手元資金が一気に減るという
大きなデメリットがあります。

よほどキャッシュに余裕がない限り、
経営面からはあまりおすすめできません。

また、「お金を貯めてから買う」という考え方も、
経営的には効率がよくありません。

貯めている間は車が手に入らず、
その期間の事業機会を逃してしまうからです。

もし一括で買える資金があるなら、
そのお金は車ではなく、
事業の成長に投資する方が効果的です。

車の購入は一括購入よりもローンで分割し、
キャッシュは攻めの経営に使う。
この方が、経営全体としては健全です。

ローン購入:キャッシュを守りつつ所有したい場合に

ローンは、月々の支払いを抑えながら
一括購入のメリットを享受できる方法です。

実質的に自分が所有するため、
保険・車検・整備などは自由に選べる
という点は一括購入と同じです。

経費の考え方も一括購入と同様で、
固定資産として計上し、
減価償却によって少しずつ経費化していきます。

支払いを分割にしても、
支払額がそのまま経費になるわけではありません。

注意すべきは、会計上は
資産(車両運搬具)と負債(長期未払金)が
両方計上(オンバランス)される点です。

いずれも流動性の低い項目であるため、
銀行は「現金化しにくい資産と、
返済義務のある借金が増えている」と
評価しがちです。

その結果、
銀行評価的にマイナスになりやすいのです。

この見栄えの悪さを避けたい事業者が、
リースを選ぶ理由のひとつにもなっています。

リース:資金繰りと銀行評価を重視する場合に

リースは、車を“借りて使う”契約です。

車検・自動車税・保険などが
すべて月額に含まれており、
会計上の経費の考え方も、
月々の支払額を経費として処理するのみです。

資産や負債に計上されない(オフバランス)ため、
貸借対照表がスッキリ見えるのが特徴です。

このため、銀行評価を維持しながら
車を導入したい会社に人気があります。

一方で、整備や保険の自由度は低く、
総支払額も購入より高くなる傾向があります。

また、近年「新リース会計基準」により、
大企業などではリース取引も
資産・負債に計上(オンバランス化)
されるようになりますが、

中小企業はこれまで通り
オフバランス処理が可能です。

したがって、今後も中小事業者にとって
リースのメリットは大きいと言えます。

まとめ:目的と資金バランスで選ぶ

一括購入:利息ゼロで安いが、資金が減る。
 現金に余裕がある場合のみ。
ローン:支払いを分散でき、所有権も得られるが、
 決算書上は見栄えが悪い。
リース:経費処理が簡単で銀行評価を保ちやすいが、
 総額は高い。

つまり、「どれが得か」ではなく、
自社の状況に合わせて選ぶことが経営判断です。

特に車両は金額が大きく、
資金繰りや決算書に与える影響も少なくありません。

経営者として、キャッシュフローと
決算の見栄えの両面から判断することが大切です。

ちなみに僕はリース派です

理由はシンプルで、
オンバランスされず決算書に載らないからです。

やはり資産の所有は銀行評価的に良くなく、
流動性の低い資産はできるだけ持たない方が良いと
考えています。

リースであれば、
「どんな車に乗っているか」は契約書を見ない限り
分かりません。

オンバランス化されると決算資料を見れば
一目で分かりますが、
現状の中小企業ではまだオフバランスが可能です。

だから僕は、迷わずリースを選びます。
決算書の見栄えは、将来の資金調達に
直結するからです。


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この記事を書いた人

新美 敬太のアバター 新美 敬太 代表税理士

「経営を楽しむ」という想いを大切に、日々経営者の皆さまと向き合っています。
税務・会計だけでなく、同じ目線で悩みや挑戦を共有しながら、一緒に考え、進んでいくことを大切にしています。
私自身も一人の経営者として、まだまだ成長の途中です。
だからこそ、うまくいくことも、迷う時間も、すべて含めて寄り添える存在でありたいと思っています。
経営の中にある楽しさや可能性を感じていただけるように。
これからも、皆さまと一緒に歩んでいきます。

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