うちの事務所では、年に一度、経営方針発表を行っています。
スタッフ全員の前で、今年の目標を話す場です。
最近は、外部の関係者の方もお呼びしています。
「そこまでやる必要ある?」
そう思われるかもしれません。
でも、この場こそが、
目標を達成してこられた一番の理由だと思っています。
頭の中の目標は、妥協できてしまう
目標達成に、何が一番大切か。
計画の精度も、数字の管理も大事です。
でも、本質は目標を宣言することだと思っています。
頭の中だけの目標は、いつでも修正できます。
「今年は厳しかったから」
「まあ、このくらいでいいか」
誰にも言っていなければ、
下方修正しても誰も気づきません。
少なくとも、僕はそうです。
一人で立てた目標なら、どこかで妥協していました。
逆に、宣言した目標は後に引けません。
高すぎたかなと思う目標も、
みんなの前で言った以上、やるしかない。
意地でも達成する。
そう動けたからこそ、届いた目標がいくつもあります。
目標設定理論でも、具体的で高い目標ほど成果につながり、
人前で公表するとコミットメントが高まるとされています。
そして宣言すると、逆算が始まります。
ゴールが決まるから、今月やること、今日やることが見えてきます。
宣言は、気合いの話ではなく、
行動を決めるための起点です。
宣言は、共有して初めて組織の目標になる
組織の目標は、一人では達成できません。
だから、宣言した目標を構成員と共有することが欠かせません。
共有されていると、日々の判断が変わります。
新しい依頼を受けるか。
やり方を変えるか。
どこに時間を使うか。
目標を知っている人は、上司に聞かなくても、
「今年はここを目指しているから、こっちを優先しよう」
と自分で判断できます。
目標が経営者の頭の中にしかなければ、
判断はすべて経営者に戻ってきます。
組織は、経営者一人の処理能力以上には大きくなれません。
共有とは、
全員が同じ方向に逆算できる状態をつくることです。
この共有の場として、
多くの中小企業が取り入れているのが経営計画発表会です。
源流の一つとされるのが、経営コンサルタントの一倉定氏。
社長が自ら経営計画書をつくり、
全社員に発表することの大切さを説き続けました。
中には、金融機関など社外の方を招いて行う会社もあります。
上場企業が中期経営計画を投資家に公表するのも、
構造は同じです。
数字を外に約束し、その達成度で評価されます。
うちが外部の方をお呼びするようになったのも、同じ理由です。
宣言する相手が増えるほど、目標は本気になります。
数字の先に、MVVがある
目標を達成したら、どうなるのか。
売上が上がり、利益が増えます。
でも、その便益をトップがすべて受け取れるわけではありません。
たとえトップであっても、です。
だから数字の目標は、
組織のMVVとつながっている必要があります。
うちのミッションは「経営を楽しく、スマートに!」。
ビジョンは「多くの健全な経営者を世に生み出す会計事務所!」です。
たとえば、顧問先の数を増やすという目標があるとします。
これは、ただ売上を伸ばすための数字ではありません。
支えられる経営者が増えるということです。
つまり、ビジョンに一歩近づくということです。
定量的な目標と定性的なMVVが一気通貫すると、
目標はノルマではなくなります。
数字の先に意味が見えるから、本気で目指せます。
ただ、ここはうちもまだ道半ばです。
そのつながりをメンバー全員が自分の言葉で語れるところまでは、
まだ届いていません。
経営方針発表は、その線を毎年引き直す場でもあります。
人は、食べていくために働く。それでいい
MVVの話は、きれいごとに聞こえるかもしれません。
でも僕は、人が働く理由は、
まず食べていくためだと思っています。
誰もボランティアで働いているわけではありません。
だから、成果が還元されなければ人は動きません。
当たり前のことです。
やりがいや理念だけで人を動かそうとするのは、
違うと思っています。
還元のない目標は、ただのノルマです。
経済的な評価は、それ自体が大きな成果です。
社会からどれだけ必要とされたかの表れでもあります。
だから、目標を達成したら、きちんと返す。
ここは、僕自身が最も強く意識しているところです。
どんなキャリアプランを示しても、
どれだけ将来の話をしても、
結果として還元できなければ意味がありません。
それを示せるのは、言葉ではなく結果だけです。
目標を宣言する経営者には、
還元する責任もセットでついてくる。
そう思っています。
圧倒的な成果を目指すからこそ、外れてはいけない道がある
これからの時代、中小企業が生き残るには、
圧倒的な成果が必要だと考えています。
だから、うちはそこを目指します。
うちは、中小企業の経営をサポートする立場にあるからです。
成果を出せない会計事務所に、
経営の相談をしたいと思うでしょうか。
成果を出せない存在は、信頼してもらえない。
逆に言えば、成果を出し続けることが、信頼の土台になります。
ビジネスは、勝てば官軍の世界です。
でも、結果だけを追うと、道を外れる危うさもあります。
記憶に新しいのが、ビッグモーターの一件です。
保険金の不正請求が明るみに出て、
その背景には過度な数字のプレッシャーがあったと報じられました。
数字を追うこと自体は、間違っていません。
でも、外れてはいけない道が決まっていなければ、
組織は簡単に崩れます。
守りの意味でいえば、MVVはそのガードレールです。
結果を出すことがアクセルなら、MVVはハンドル。
うちがバリューに「誠実」「丁寧」を入れているのも、
この感覚に近いです。
高い目標を宣言し、全員で逆算し、
道を外れずに達成して、還元する。
このサイクルが、僕たちの仕事の説得力そのものです。
まず一人に、目標を口に出す
いきなり発表会をつくる必要はありません。
まずは今年の目標を、誰か一人に話してみることから。
社員でも、幹部でも、信頼できる外部の人でもかまいません。
口に出した瞬間、その目標は自分だけのものではなくなります。
後に引けなくなる。
そこから、逆算が始まります。
宣言する相手が一人増えるごとに、
目標は少しずつ、本気のものになっていきます。
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