どんぶり経営は、ある日突然苦しくなる。社長のお金の話


こんにちは、しんこう会計事務所の新美です。

今日は、
経営者の「お金に対する意識」の話をします。
というより、もっと正確に言うと
「どんぶり勘定の怖さ」の話です。

「お金のことは、細かく考えない」
「売上が上がってればなんとかなる」
「経営は気合いと現場だ」

こういう空気、現場にはめちゃくちゃあります。
そして実際、職人気質で現場が強い社長ほど、このモードに入りやすい。
もちろん、現場に集中するのは悪いことじゃない。
ただ、お金をどんぶりで扱うと、
会社は簡単に崩れます。

経営者は“現場”に寄りすぎると、お金が見えなくなる

飲食店のオーナーなら、
食材、仕込み、味、メニュー。
毎日の課題が具体的すぎて、
お金は後回しになりがちです。
士業でも同じで、税理士ですら職人化します。
論点の精度、処理の正確さ、知識の深さ。
そっちに寄ります。
職人としては正しい。
でも経営としては、片輪になります。
なぜなら会社は、腕だけでは続かないからです。
最後に会社を止めるのは、
だいたい「お金が足りない」です。

どんぶり勘定の怖さは「損する」じゃなく「事故る」

どんぶり勘定って、損得の話じゃないんですよね。
一番怖いのは、事故が起きることです。
たとえば、
利益は出てるのに、なぜか手元にお金が残らない。
売上が増えてるのに、支払いが追いつかない。
値付けが弱くて、忙しいだけで疲弊する。
採用や投資の判断が、なんとなくでブレる。
こういうのって、「頑張り不足」じゃありません。
お金が見えてないから、判断がズレるだけです。
お金の意識が低い会社って、
うまくいかないというより、
ある日いきなり詰みます。

「お金のことは考えない」=美徳ではない

ここ、誤解が多いところです。
「お金のことを中心に考えない社長」のほうが、
格好よく見える。
現場で汗かいて、理想を語って、
数字は経理に任せる。
でも会社って、数字から逃げた人から順に、
自由を失います。
お金の話をしないのは上品でもなんでもなくて、
単に、経営の責任を放棄してる状態になりやすい。
そして困るのは、
社長じゃなくて社員と取引先です。

「利益」と「現金」を一瞬でいいから分けて考える

ここだけは、
ほんの一瞬でいいので押さえておきたいです。
利益が出ている。
でも口座のお金が減っている。
この状態、普通に起こります。
売上が増えていても、
入金が遅ければ現金は増えない。
仕入や外注が先に出ていけば、現金は減る。
借入の返済があれば、
利益があっても現金は出ていく。
つまり、利益と現金は別物です。
会社が止まるのは「利益が赤字だから」じゃなく、
「支払いができないから」です。
だから最初に見るべきなのは、現預金です。

お金の意識が高い社長は、数字が得意じゃない

「お金の意識が高い」=簿記ができる、
ではないです。
会計用語で語れる、でもない。
要はこれだけ。

自社のお金の現実を、自分の言葉で説明できる。

いま何が起きてるか。
どこにお金が出ていってるか。
何を増やして、何を止めるか。

これが語れるだけで、
経営は一気に安定します。

融資は、どんぶりが一発で見抜かれる場

融資の場面って、
銀行目線のテクニック論にされがちですが、
僕はもっと本質的だと思っています。
融資は、社長の「お金への向き合い方」
が露骨に出る場です。
知識が不足していること自体は、まだいい。
でも、自社のお金を把握してない、説明できない、となると話が変わります。
貸す側からすると、怖いんですよね。
「この人、返済の道筋を考えてるのかな?」
ってなります。

つまり融資って、書類の審査というより、
どんぶり経営かどうかの
チェックになりやすいです。

どんぶりを卒業する“最小セット”はこれだけ

難しいことは要りません。
月1回だけ、固定の順で見てください。

  1. 現預金:いま何ヶ月もつ?
  2. 粗利:売上じゃなく“残る力”
  3. 固定費:人件費・家賃・外注
  4. 直近3ヶ月の増減理由:何が効いた?
  5. 借入:返済予定と返済原資の整合だけ確認

最後に1行だけ決める。
「来月は何を増やして、何を止めるか」
これを毎月やるだけで、
どんぶりは確実に減ります。

お金をどんぶりで扱わない。それが経営者の仕事

現場に集中するのは、経営者として大事です。
職人気質は、会社の強さにもなります。
でも、お金をどんぶりで扱うと、会社は守れない。
お金は目的じゃない。
でも、会社を続けるために必要なものです。
だから経営者は、お金から逃げない。
月1回でいいので、
まず現預金を見るところから始めてみてください。

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