利益を見る前に、まず“ズレ”を見る。月次で会社が強くなる理由


こんにちは、しんこう会計事務所の新美です。

月次が出るようになると、
会社は一段強くなります。
ただ、月次は「出す」だけではまだ変わりません。
差がつくのは、“数字の読み方”です。
本当は、経営は「損益」と「資金繰り」の
両方を見ないといけません。
なので理想は、
精緻な損益計画と資金繰り計画を
セットで持つことです。

ただ今回は話を広げすぎないために、
損益(=月次損益と指標の読み方)
に絞って書きます。
現場の動きがダイレクトに反映されるのが
損益と指標で、
ここを整えることが結果として
資金繰りの改善にもつながるからです。

経営の神髄は「ズレ」を回収し続けること

以前の記事で、僕はこう書きました。

未来の数字(計画)を置く。
現実の数字(実績)を早く見る。
ズレを見つける。
原因を仮説立てして、改善する。

これを淡々と回し続けることが、経営の神髄だと。
今回の記事は、
その中の「ズレを見つける」の精度を上げる話です。
ズレは額面で見るのが基本。
でも、額面だけだと見落とすことがある。
だから指標も使う。そんなニュアンスです。

利益は大事。でも「不安」の正体は別のところにあることもある

利益は大事です。もちろん見ます。
売上も粗利も固定費も、まずは額面で見ます。
ただ、それでもこういう相談は多いです。

数字は悪くないはずなのに不安。
売上はあるのに、現場がしんどい。
黒字なのに、なぜか手応えがない。

このとき、額面の数字だけでは
説明がつかないケースがあります。
そこで補助線として役に立つのが、指標です。

ズレの見つけ方は2つ。額面のズレと、指標のズレ

月次でまず見るべきは、額面のズレです。
計画に対して、売上・粗利・固定費が
どうだったか。
ここが入口です。
そのうえで、必要に応じて指標を見る。
例えば、こんなものです。

粗利率=商品・サービスの「稼ぐ力」
働分配率=会社と社員の「分配のバランス」
1人あたりの粗利=現場の「生産性・ゆとり」

結論はこれです。
計画とのズレは、まず額面で押さえる。
違和感については、指標で深掘りする。
ちなみに、ここで言う計画は損益の計画です。
本来は資金繰り計画も並べて持つのが理想ですが、
今回は損益側だけに集中します。

「売上は達成したのに苦しい」典型パターン

例えばこういうケースです。
売上目標は達成した。
でも実態は、
低利益率の案件を拾って数字を作った。
額面だけ見ると「達成」です。
ただ、指標を見ると違和感が出ます。
粗利率が落ちている。
同じ売上でも残る利益が減っている。
さらに、工数も増える。
残業が増える。外注が増える。
急場しのぎが増える。
結果として、労働分配率が上がる。
1人あたり粗利も落ちる。

こうなると、
数字は達成しているのに現場が消耗します。
来月も同じやり方を続けるのは苦しい。
指標って万能ではありません。
でも、額面だけでは説明できない
違和感を言語化するのには、
本当に役に立ちます。

ズレは「犯人探し」じゃなく「気づき」を取りにいく

ズレを見つけたとき、次にやるのは2つです。
1つは、気づきを得ること
もう1つは、打ち手を決めること
まず気づきの取り方。
月次を見たとき、
経営者が感じるのはだいたい2パターンです。
やっぱりな。
現場で感じていた違和感と
数字が一致する瞬間です。
勘が確信に変わる。
え、なぜ?
数字を見て初めて、
知らない変化に気づく瞬間です。
これが一番価値があります。
ズレは悪ではありません。情報です。
経営者の解像度を上げる材料です。

打ち手は「1つに絞る」

そして最重要はここです。
気づきが出ても、
次の一手が決まらない会社は多い。
会議で納得して終わる。反省して終わる。
それだと何も変わりません。
打ち手は、1つに絞る
例えば、売価の「値上げ」や「値引き停止」か
「粗利の低い案件を断る」か。
まずは1つだけ決めて、
来月の粗利率で答え合わせします。
仮説が間違っていてもいい。
むしろ間違っていていい。
大事なのは、来月の数字で
答え合わせができる状態を作ること。
検証可能性を残すために、1つに絞る。
あれもこれもは、結局なにも変わらない。
これは本当にそうです。

額面を押さえた上で、指標で違和感を拾う

利益も、売上も、まずは額面で見る。
ここが基本です。
そのうえで、違和感があるときに、指標を見る。
粗利率や労働分配率、1人あたり粗利みたいな
中身”の変化を見る。
計画と実績のズレを、
額面と指標の両方で拾えると、
気づきの質が上がります。
そして最後は、打ち手を1つ。
検証して、また来月の数字を見る。
ちなみに、損益のズレが見え始めた時点で、
資金繰り表も一緒に確認できるとさらに強いです。
資金繰り表の作り方や、
損益と資金のズレの見方は、
また別の記事で書きたいと思います。

最後に、今日のアクションを1つだけ。
今月の月次を手元に置いて、
いま感じている違和感が
「額面」なのか「指標」なのか、
1分だけ眺めてみてください。
それだけで、次の一手がかなり具体になります。

📺 YouTubeチャンネルはこちら!

▶️ にいみ税理士のお悩み相談室(YouTube)
「にいみ税理士のお悩み相談室」では、
日々の会計・税務・経営支援の現場で
よくあるお悩みや、節税の考え方やポイント、
資金繰り、事業計画のヒントなどを、
やさしく・わかりやすく解説しています。

気になる方は、
ぜひチャンネル登録もよろしくお願いします!

関連記事

「これ節税ですよね?」と持ってきた領収書、税務署はこう見ています。

開業準備中のお客様と初対面。
現場で感じた“温度感”

税務調査は怖くない。税務署が見るのは2つだけ

PAGE TOP