こんにちは、しんこう会計事務所の新美です。
今日は、経営者からめちゃくちゃ聞くやつ。
「黒字なのに、なんで資金が足りないんですか?」
これ、社長の経営センスが悪いというより、
そもそも商売の“構造”に
原因があるケースがほとんどです。
結論から言うと、「利益=お金」
だと思っているから、この現象にハマります。
利益とお金は、同じように見えてまったくの別物。
黒字なのに資金が足りない会社がハマるのは、
だいたいこの「3つのズレ」が原因です。
ズレ① 会計上の売上と、現金の入金タイミングがズレる
売上って、入金された瞬間に
立つわけじゃないですよね。
多くの会社は「請求=売上」として計上しますが、
実際に入金されるのは
翌月や翌々月だったりします。
一方で、支払いは容赦なくやってきます。
- 仕入や外注:売上より先に支払うケースが多い
- 給与や人件費:これも売上回収を待たずに発生する
たとえば、こんな状態を想像してみてください。
- 3月:売上100万円
(利益は出ているが、入金は5月) - 4月:外注費や給与の支払いが発生
(お金が出ていく)
会計上は「3月の利益」として残っていても、
手元の現金は4月にガツンと減ります。
「先にお金が出て、後でお金が入る」
という順番になっている限り、
利益が出ていても資金繰りは
苦しくなりやすいんです。
ズレ② 利益に出ない“資金流出”がズレて刺さる
これが2つ目の落とし穴。
「損益計算書(PL)」には載らないのに、
通帳の現金だけがゴリゴリ削られていく
項目があります。
代表例はこの2つです。
◆借入金の返済(元本)
借金を返しても、それは経費になりません。
だから利益は減らないのに、
現金だけが減っていく。
これが「利益は出ているのにお金が残らない」
相談で一番多いパターンです。
◆設備投資
たとえば500万円の機械を現金で買ったとします。
- 現金:買った瞬間に500万円がガバッと出ていく
- 会計:5年償却なら、毎年100万円ずつしか費用にならない
「経費は100万なのに、お金は500万消えた」という
400万円分のズレが、
資金繰りに一撃入れてきます。
ズレ③ 成長すると、運転資金が先に必要になる
これ、意外と見落とされがちだけど
一番怖いやつです。
事業を成長させようとすると、
先行投資が絶対に必要になります。
- 売上のために仕入を増やす
- 現場を回すために人を採る(採用コスト・給与)
- 在庫を厚く持つ
- 新しい設備を入れる
つまり、
売上が伸びる局面ほど
「先に出るお金」が膨らんでいくんです。
事業規模が大きくなれば、
売上の入金と仕入れの支払いの
「差額」も拡大します。
「伸びてる会社ほど、資金ショートの危険がある」というのは、
決して脅しではありません。
じゃあどうする?対策はこの3つでOK
「そんなの知ってるよ」と思うかもしれません。
でも肌感覚でいうと、9割の経営者が
「理解はしているけど対応はできていない」
のが現実です。
原因が分かったら、
打ち手はシンプルにいきましょう。
対策① 資金繰り表を作る(まず可視化)
預金残高だけ見て判断するのは、
もうやめましょう。
残高が減ってから慌てるのが一番危ないです。
資金繰り表は、いわば「会社のお小遣い帳」。
- 今月の入金予定(売上の回収)
- 今月の支払予定(仕入・給与・家賃・税金・返済)
- 結果としての月末残高
これを表にするだけで、
頭の中だけでは見えなかった
「資金の谷(危ない時期)」が
はっきり見えるようになります。
対策② “資金繰り計画”まで作る(未来を見える化)
実績をつけるだけだと「過去の反省」で終わります。
大事なのは、
3ヶ月〜1年先までの予測を立てること。
特にここは入れてほしいです。
- 大きな支払い(機材購入、賞与、決算税金)
- 人を採用したあとの固定費アップ
「いつ、いくら足りなくなるか」が事前に分かれば、
会社が潰れることはまずありません。
対策③ 資金調達は“足りなくなる前”にやる
資金調達の鉄則は、
「戦略的に、先行して借りる」ことです。
お金がなくなってから銀行へ行っても、
金融機関は慎重になります。
理想は、資金繰り計画をもとに
「3ヶ月後に減りそうだな」
と分かった時点で動くこと。
- 資金があるうちに借りて、手元を厚くしておく
- 目安として固定費の6ヶ月分くらいをキープできれば安心
- 余裕があるときに借り、資金が増えたら返せばいい
このサイクルを回せるようになると、
経営のストレスは激減します。
今日からできるチェックリスト
最後に、
今日から動けるチェックリストを置いておきます。
□ 入金サイト(回収のタイミング)を正確に把握している
□ 借入返済や税金など、利益に出ない支出を月単位で見えている
□ 3ヶ月〜半年先の資金残高を予測できている
□ 「固定費の数ヶ月分」という自社の安全水準を決めている
1個でも怪しければ、今は黒字でも、
いつか資金が詰まるリスクがあります。
まとめ:黒字なのに資金が足りないのは“構造のズレ”です
- 会計と現金のタイミングがズレる
- 利益に出ない支出(返済・投資)がズレて刺さる
- 成長局面で運転資金が先に必要になる
この3つを理解して、
「資金繰り表 → 計画 → 戦略的な調達」まで回す。
利益だけを追うのではなく、
しっかり「キャッシュ」に着目することで、
会社は一気に安定します。
数字を可視化するだけで、
経営の景色はガラッと変わりますよ。
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