社長の電話番は、最高時給の雑務だ

開業のとき、固定電話を置かないと決めました。
「税理士事務所なのに大丈夫?」と言われましたが、
実際には何も困りませんでした。
ネット電話を契約して、
僕のスマホに転送される仕組みにしただけです。
ただ、それでも問題は残っていました。
スマホが鳴るたびに、手が止まる。
画面を確認する。
「あ、営業か」と気づいて、また作業に戻る。
この繰り返しが、
じわじわと集中を削っていました。
電話代行サービス「フォンデスク」を導入したのは、
その問題を解決するためです。

電話対応は「仕事」ではなく「割り込み」

経営者が電話に縛られていると、
本来やるべき仕事が止まります。
集中が途切れるコストは、思った以上に大きい。
研究によれば、深い集中状態から一度離れると、
同じレベルの集中状態に戻るまでに
平均23分かかるそうです。
5分の電話対応が、
実質30分近くの生産性損失
になりうる。
電話が1日5回なら、
それだけで2時間以上の思考時間が消えます。
楽天コミュニケーションズの2023年調査では、
中小企業の6割以上が
「電話対応に課題がある」と回答しているそうです。
「即答できず折り返しが多い」
「対応する人がいない」という声が多く、
本来の業務の合間に対応している
実態が浮き彫りになっています。
経営者の仕事は、判断と創造です。
その時間を削って、電話番をしている。
いちばん高い時給で、雑務をしている状態です。

電話を否定するつもりはない

誤解のないように言っておきます。
電話というツール自体を、否定していません。
チャットは便利ですが、
冷たく感じることがあります。
テキストだと、ニュアンスが伝わりにくい。
オンラインMTGは、場所を選びます。
移動中や外出先では難しい。
その点、電話は声でやり取りできて、
場所を選びません。
チャットとMTGのちょうど中間に位置する、
優秀なツールです。
ただし、一つ問題があります。
電話はリアルタイムを強制するという点です。
かけたら相手が出られない。
かかってきたらこちらが出られない。
そのすれ違いを繰り返します。
この「タイミングのロス」が、
電話の一番の無駄です。
ツールが悪いのではなく、
リアルタイムの強制が問題なのです。

かける側も、意識が必要になってきた

もう一つ、
最近意識するようになったことがあります。
自分がかける側のときも、
同じことが起きている
という点です。
自分から電話をかける分には、
タイミングを選べるので効率的に感じます。
でも、相手は違います。
その瞬間、相手の集中を
強制的に断ち切っています。
相手が経営者なら、その電話は
23分の思考時間を奪っているかもしれません。
最近は「電話は非効率」と
考える経営者も増えています。
今後その傾向は強くなる一方です。
かける側も、それを意識しておかないと、
知らないうちに相手の時間を奪う人
になってしまいます。
電話に甘えず、うまく活用したいところです。

フォンデスクとは何か

フォンデスクは、電話代行サービスです。
仕組みはシンプルです。
かかってきた電話を、
オペレーターが代わりに受けてくれる。
用件をチャットやメールで通知してくれる。
折り返すかどうかは、
自分のタイミングで判断する
つまり、電話を非同期にするツールです。
リアルタイム強制を外して、
集中を守りながら対応できるようにする。
料金は月額基本料金1万円(税抜)で、
月50件までの受電はこれだけです。

導入してわかったこと

うちにかかってくる電話の実態はこうです。

  • 営業電話
  • 税務署
  • 新規問い合わせ

正直、今すぐ出なければならない電話は、
ほぼありません。
新規問い合わせも、折り返せば問題ありません。
それに気づいてから、
「すぐ出なければ」という焦りがなくなりました
変わったのは、集中時間の質です。
スマホが鳴っても、通知で確認して判断できる。 急ぎでなければ、そのまま作業を続けられる。
この差は、思った以上に大きかったです。
正直に言うと、 まだ
完全に使いこなせているわけではありません。
転送設定の調整など、
細かい運用は今も試行錯誤中です。
ただ、導入して後悔はしていません。

どんな経営者・会社に向いているか

こういう方には特に合うと思います。
少人数〜1人で動いている会社。
スタッフが電話番をできない環境は、
そのまま経営者が対応することになります。
外回りや打ち合わせが多い方。
移動中に鳴るたびに止まる、
というストレスがなくなります。
「今すぐ出なくていい電話」が多い業種。
うちのように急ぎの受電がほぼない業種では、
特に効果が高いです。
逆に、急ぎの受電が多い業種や、
電話でないと成立しない対応が中心の場合は、
導入前に自社の電話の中身を
よく確認することをおすすめします。

まず、自分の電話を1日記録してみる

難しいことは何もありません。
一日だけ、かかってきた電話の中身を
記録してみてください。

  • 営業は何件か。
  • 本当に今すぐ対応が必要だったか。
  • 折り返しで済んだものは何件か。

おそらく、「今すぐ出る必要があった電話」は、
思ったより少ない
はずです。
その数字が見えてきたら、
対策を考えるきっかけになります。
電話代行は、その選択肢の一つです。


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この記事を書いた人

新美 敬太のアバター 新美 敬太 代表税理士

「経営を楽しむ」という想いを大切に、日々経営者の皆さまと向き合っています。
税務・会計だけでなく、同じ目線で悩みや挑戦を共有しながら、一緒に考え、進んでいくことを大切にしています。
私自身も一人の経営者として、まだまだ成長の途中です。
だからこそ、うまくいくことも、迷う時間も、すべて含めて寄り添える存在でありたいと思っています。
経営の中にある楽しさや可能性を感じていただけるように。
これからも、皆さまと一緒に歩んでいきます。

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