優秀なスタッフが噛み合わない組織に足りないもの

リモート化を進めたとき、
気になることがありました。
スタッフの勉強量は、落ちていませんでした。
でも、なんとなくチームとして
噛み合わない感覚があった。
個人は伸びているのに、組織としてはバラバラ。
この感覚の正体を、
しばらく言語化できませんでした。
同じような経験を持つ経営者や管理職の方は、
意外と多いのではないでしょうか。
今日は、この「個人の成長と組織の噛み合わせ」
という問題について、自分たちの
取り組みも交えながら整理してみます。

考え方を揃えようとすると、組織は弱くなる

チームが噛み合わないと感じたとき、
最初に思いつく解決策は「方向性の統一」
ではないでしょうか。
みんなが同じように考えて、
同じように動けば、うまくいくはずだと。
でも、これは逆効果になることが多いです。
優秀なスタッフほど、
自分なりの判断軸を持っています。
そこに「こう考えなさい」を押し込もうとすると、
思考が止まります。
自分で考える前に、正解を探すようになる。
考え方を揃えることは、目的ではありません。
もちろん、
MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)
のような組織の根幹となる価値観は別です。
そこは揃えるべきです。
ただ、日々の判断や仕事の進め方まで
統一しようとすると、
個人の思考力や主体性を削いでしまいます。
優秀な人材が集まるほど、この罠にはまりやすい。

でも、土台だけは揃えないといけない

考え方は、違っていい。
むしろ違う方がいい場面も多い。
ただ、知識・ナレッジ・経験という
土台がバラバラだと、議論になりません。
同じ情報を持っていないと、
判断の質にムラが出ます。
クライアントや顧客への対応も、
担当者によって変わってしまう。
「あの人に聞けば安心だけど、
この人はちょっと頼りない」
こういう状態は、組織としてのリスクです。
考え方の多様性を活かすためにこそ、
土台は揃えておく必要があります。
多様な意見を戦わせるためには、
共通の前提が必要。

この順番を間違えると、
多様性がただのバラバラになってしまいます。
では、土台を揃えるためには何が必要か。
個人の自習だけでは、ここに限界があります。
それぞれが違うテーマを、違うタイミングで、
違う深さで学んでいる。
個人として成長していても、
組織としての共通言語が育ちにくいです。

同じ時間に、同じテーマを学ぶことの意味

そこで有効なのが、定期的に全員で
同じテーマを学ぶ場を作ること
です。
「それなら動画や資料を共有すればいいのでは」
と思うかもしれません。
たしかに、理屈の上ではそれで十分なはずです。
でも、人が集まる組織というのは、
そんなに合理的には動かない。

同じ場に集まって、同じ空気の中で話すことで
初めて生まれるものがあります。
これは非効率に見えて、
実は組織の土台をつくる上で
欠かせないプロセスだと感じています。
私たちの事務所でも、月に1回、
全員参加の勉強会を実施
しています。
まだ試行錯誤の段階ですが、
続けてきたことで
いくつか見えてきたことがあります。
テーマは、できるだけ現場から
拾うようにしています。
毎年の税制改正はもちろん、
担当者が実際に直面した
難しいケースを
そのまま題材にすることもあります。
教科書的な内容より、
リアルな事例の方が議論が深まりますし、
「自分も同じ場面に遭遇したらどうするか」
という当事者意識が生まれやすいです。
この設計が、組織全体の底上げにつながります。

本題の前に、アイスブレイクを入れる

勉強会の冒頭には、
アイスブレイクの時間を取ることを
おすすめします。
最近あったこと、気になっていること。
内容は何でもいい。
理由は二つあります。
一つは、場の緊張をほぐして
質問や発言が出やすい空気を作るため。
もう一つは、顧客や取引先との面談冒頭の
雑談力を養う練習として機能させるため
です。
最初の数分で場の空気が決まることは、
ビジネスの場でよくあります。
アイスブレイクを入れるだけで、
場の空気が変わります。
それだけで、メンバーの意識が
少しずつ揃っていく感覚があります。
本題に入ったときの質問の出方も、
冒頭の空気で変わります。
場が温まっていると、
経験の浅いメンバーでも
手が挙がりやすくなります。
心理的安全性は、意図的に作るものです。

学びの場は、カルチャーをつくる場でもある

勉強会を続けていくと、
知識の共有以上のことが起きてきます。
リモートワーク環境では特にそうですが、
全員が同じ時間に顔を合わせる機会は、
意識して作らないと生まれません。
普段の業務では接点が少ないメンバー同士が、
同じテーマについて話す。
それだけで、組織の空気は少しずつ変わります。
若手からの質問にベテランが答え、
別のメンバーが補足する。
教え合いが普通のことになってくると、
組織の学習速度が上がります。

これは、個人の自習だけでは生まれないものです。
完璧な形ではまだありませんが、
続けてきたことで
確実に変わってきたことはあります。
「勉強会をやっている組織」ではなく、
「学び続けることが当たり前の組織」
に近づいていく感覚です。

今日できること

いきなり勉強会を設計する必要はありません。
まず、チームで30分、同じ話題を話す時間
を一度つくってみてください。
テーマは、最近あった現場の困りごとで十分です。
同じ情報を持って、同じ場で話す。
考え方を統一するのではなく、
土台を揃えるために。
その積み重ねが、
個人の成長を組織の力に変えていきます。


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この記事を書いた人

新美 敬太のアバター 新美 敬太 代表税理士

「経営を楽しむ」という想いを大切に、日々経営者の皆さまと向き合っています。
税務・会計だけでなく、同じ目線で悩みや挑戦を共有しながら、一緒に考え、進んでいくことを大切にしています。
私自身も一人の経営者として、まだまだ成長の途中です。
だからこそ、うまくいくことも、迷う時間も、すべて含めて寄り添える存在でありたいと思っています。
経営の中にある楽しさや可能性を感じていただけるように。
これからも、皆さまと一緒に歩んでいきます。

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