決算直前に慌てる会社が、毎年損する理由


こんにちは、しんこう会計事務所の新美です。

今回お伝えしたいのは、
「決算対策でまずやるべきこと」です。
決算対策というと、
どうしても「何か経費を作らなきゃ」とか、
「使える節税策を探さなきゃ」
という発想になりがちです。
でも僕は、
まず最初にここを見るべきだと思っています。
それは、決算月がどこにあるかです。
言い換えると、
決算対策の本質はテクニック探しではなく、
決算までの“時間”を確保することなんですよね。

決算直前に利益が出る会社ほど、損をしやすい

決算の直前に利益が大きく出ると、何が起きるか。
対策を検討する時間が足りない
結果として、判断が雑になりやすい。
本当は必要ない支出をしてしまったり、
よく考えずに投資をしてしまったり。
そして最後に残るのは、
「利益を良い形で使えなかったのに、
納税だけ増えた」
という感覚です。
節税って、
税金を減らすこと自体が目的じゃないはずです。
会社のお金を、
経営として良い形で使うための話です。
その前提が、時間がないと崩れます。

以前うちも「赤字かも」でスタートしたことがある

僕のところも、以前そんな年がありました。
新しいことにチャレンジして
投資が増えそうだったので、
期初の段階では「赤字もあり得るな」
という想定でスタートしました。
ところが、蓋を開けてみたら、
想定より売上も利益も強かった。
もちろん嬉しかったです。
ただ、そのときに改めて思いました。
利益が出ること自体は良い。
でも、利益の“出方”と“出るタイミング”で、
打てる手が変わる
ここを設計できるかどうかで、
決算対策の質が大きく変わります。
僕が意識していることとして、
利益が出る時期を、年度の前半〜中盤に寄せる
決算直前に利益の山を作らない。
そうすると何が良いかというと、
決算までの残り時間で、
利益を「経営として良い形」
に使える余裕が生まれるんです。

時間があるとできる“良い打ち手”が増える

「時間があると何ができるの?」という話ですが、
具体的にはこういうことです。
例えば、広告
前倒しで投下して反応を見て、
勝ち筋に寄せられます。
直前にドンと出すと、検証も改善もできません。
採用も同じです。
要件を整理して、募集して、面談して、
条件を調整して…普通に考えて時間がかかります。
直前にやるとミスマッチが増えて、
結局コストになります。
そして特に大きいのが、在庫 です。
繁忙期に入ると、
そもそも棚卸し自体が大変になります。
ここで言う「調整」って、
在庫をいじって見せる話ではなくて、
適正在庫に整える という意味です。
でも忙しい時期ほど、過剰在庫に気づけない。
気づけないから余計な発注が起きる。
余計な発注は、
当然 キャッシュフローにも影響 します。
在庫が過剰なことを把握できないと、
利益の見え方もズレるので、
結果として税額の読みもズレやすい。
これも「時間がない」と起こりやすい典型です。

設備投資は、決算直前ほど“勘違い”が起きる

もう一つ、決算直前に起きがちな
勘違いがあります。
それが、設備投資 です。
「買えば利益が落ちる」と思って、
期末に設備を買う。
この判断自体が悪いわけじゃないんですが、
多くの場合、設備は 減価償却 なので、
当期の経費になるのは 月割り です
(期中取得なら使用開始月から)。
つまり、決算直前に買っても、
当期に落ちる金額は思ったより
少ないことが普通にあります。
その結果、
「買ったのに税金が思ったより減らない」
になりやすい。
これも、直前で焦ると起こりがちです。
だからこそ設備投資は、
時間をかけて
「本当に必要か」「導入後にどう使うか」
まで含めて判断したいところです。

決算月変更は、経営の「調整」として普通にやる

この話をすると、
「決算月を変えるのって大ごとじゃない?」
と思う方もいます。
でも実際は、状況に応じて決算月を変えるのは、
普通にあります。
決算月の位置で、
できる対策の幅が変わるからです。
手続きも、思っているほど
大げさな話ではないケースが多いです。
もちろん会社の状況によって確認は必要ですが、
「一度も検討したことがない」なら、
それ自体がもったいないと思います。

決算対策のスタート地点

決算対策の本質は、税金を減らすことではなく、
利益を良い形で使うための準備です。
その準備に必要なのが、決算までの 時間 です。
もし今、毎年のように
「決算が近づいてから慌てる」
「直前に支出が増える」
「在庫や設備投資が雑になりがち」
という感覚があるなら、
問題は節税策の知識ではなく、
構造の方にある可能性が高いです。
その場合、決算対策でまずやるべきことは、
経費のメニュー探しではなく、
決算月の位置を見直す(少なくとも検討する)こと
まずは一度、
自社の利益が出る時期と、
決算月の位置がズレていないか
を見直してみてください。

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