チャレンジしない組織は、褒め方を間違えている

こんにちは、しんこう会計事務所の新美です。

「うちのスタッフ、なかなか自分から動かなくて」
こういう相談を、
経営者や管理職の方からよく聞きます。
原因を聞くと、たいてい「やる気がない」とか
「積極性がない」という話になる。
でも、僕はそう思っていません。
チャレンジしない組織の本当の原因は、
やる気ではなく、褒め方にある
ことがほとんどです。

チャレンジしない理由は「怖いから」ではない

よく「失敗が怖いからチャレンジしない」
と言われます。
それは半分正しい。
でも、もう少し正確に言うと、
チャレンジして失敗したとき、
どう扱われるかが怖い」のです。
怒られるかもしれない。
評価が下がるかもしれない。
フォローしてもらえないかもしれない。
この不安が、チャレンジの手前で人を止めます。
逆に言えば、この不安がなくなれば、
人は自然に動き出す。
そのカギが、褒め方と失敗への向き合い方です。

褒めることの本質は「許可を出すこと」

褒められると嬉しい。
これは誰でも知っています。
でも、褒めることの本当の意味は
「嬉しい」だけではありません。
褒めるとは、
次のチャレンジへの許可を出す行為です。
例えば、こんな場面を想像してください。
スタッフが少し工夫して、
いつもと違うやり方で仕事を進めた。
上司が「それ、よかったよ。いい判断だね」と言う。
このとき、スタッフの頭の中では
何が起きているか。
「あ、自分で考えて動いていいんだ」
「次も、やってみよう」
この感覚が生まれた瞬間、
チャレンジのスイッチが入ります。
褒めるとは、行動を承認し、
次の行動を引き出すことです。
結果だけを評価して、
プロセスを無視している組織では、
このスイッチが入りません。
ただ、一つ注意があります。
褒める・怒らないという環境に甘えてしまうと、
それは成長ではなく
ただの居心地のよさになります。
褒めることはあくまで、
次のチャレンジを引き出すための手段です。
チャレンジし続けるカルチャーのある組織にこそ、
この環境は機能します。

ミスをしたとき、何を言うかで組織は決まる

チャレンジが生まれる組織と、そうでない組織
一番差が出るのは、失敗したときの対応です。
よくある場面を二つ、並べてみます。

パターンA:責める上司
「なんでこうなったの?」「次はちゃんとやって」

パターンB:一緒に考える上司
「何が原因だったと思う?」 「一緒に考えよう」

結果は同じミスです。
でも、スタッフの次の行動はまったく違います。
パターンAの後、
スタッフはチャレンジしなくなります。
「また怒られるかもしれない」
という記憶が残るからです。
パターンBの後、スタッフは動きます。
「失敗しても、一緒に考えてもらえる」
という安心があるからです。
ミスをしたとき、
原因追及で終わるか、改善策まで一緒に考えるか。
この差が、組織のカルチャーをつくります。

PDCAは管理ツールではなく、成長のサイクルとして使う

PDCAという言葉は、
多くの組織で使われています。
でも、実際の現場では
「管理するための仕組み」
になっていることが多い。

・できたか、できなかったかをチェックする。
・できなかったら指摘する。
・また同じことをやらせる。

これでは、PDCAではなくチェックリストです。
本来のPDCAは、メンバーと一緒に回すものです。

Plan:何をやるか、なぜやるかを一緒に考える。
Do:やってみる。失敗してもいい。
Check:何が起きたかを一緒に振り返る。
Act:次どうするかを一緒に決める。

このサイクルを上司がメンバーと一緒に回すとき、
そこには必ず「一緒に考えている」
という実感があります。
この実感が、チャレンジへの安心をつくります
正直に言うと、
うちの事務所もまだここはできていません。
褒めることは意識できても、
一緒にPDCAを回すところまで、まだ道半ばです。
それでも、意識しているかどうかで、
組織の空気はじわじわ変わってきています。

チャレンジが生まれる組織の構造

整理すると、こういうサイクルです。
褒める→安心する→チャレンジする→
失敗する→ 一緒に改善する→また褒める
このサイクルが一度回ると、
組織は変わり始めます。
失敗を怖がらなくなる。
自分で考えて動くようになる。
報告や相談が増える。
怒らない組織の強さは、
メンバーが委縮しないことです。
委縮しないから、情報が上がってくる。
情報が上がってくるから、早く手が打てる。
これが、長期で見たときの組織の強さになります。

成功はチャレンジの量で決まる

「成功率を上げよう」という発想の組織があります。
ミスを減らす。
確認を増やす。
リスクを排除する。

気持ちはわかります。
でも、この発想だけだと、
チャレンジの数が減ります
成功率を上げようとすると、やることを絞る。
やることを絞ると、新しいことをやらなくなる。
新しいことをやらない組織は、
少しずつ縮んでいきます。
一方、チャレンジの数を増やそうとする組織は、
失敗の数も増えます。
でも同時に、成功の数も増えます。
成功とは、チャレンジした結果の一部です。
チャレンジの量が増えれば、
成功の絶対数も増える。
成功率を追いかけるより、
チャレンジの量を増やす
これが、組織が伸びていくときの
基本的な考え方だと思っています。

今日できること

難しいことは何もありません。
今日、一つだけやってみてください。
メンバーの具体的な行動を、一つ褒める
「結果」ではなく「行動」を「すごいね」
ではなく「あのとき〇〇したのが、よかった」
と具体的に。
それだけで、スタッフの何かが少し変わります。
チャレンジする組織は、
そういう小さな積み重ねからできています。

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