現金が貯まらない会社は、順番を間違えている【ダム式経営】

こんにちは、しんこう会計事務所の新美です。

「利益が出たら、また考えよう」
こう言っている会社のお金が、
なかなか貯まっていきません。
でも、貯まらない理由は能力でも、
売上でもないことが多いです。
順番が逆なだけです

多くの会社は、順番を間違えている

利益が出たら使う。余ったら貯める。
この流れ、普通に見えます。
でも、この順番だと一生貯まりません
なぜなら、余るときというのは
ほとんどやってこないからです。
使える状態になると、使います
人を採りたくなる。
設備を入れたくなる。
節税のために何か買おうとなる。
気づけば残らない。
これを繰り返している会社は多いです。
そして、それを「売上が足りないせいだ」
と思っている。
でも本当の原因は、順番です。

会社は利益ではなく、残高で潰れる

少し前の記事でも触れましたが、
利益とキャッシュは別物です。
黒字でも倒産します。
売掛金があっても、
口座が空なら支払いはできません。
会社を守るのは、
利益計画ではなく手元の残高です。
この前提があって初めて、
「順番」の話が効いてきます。

松下幸之助が言った「貯めようと思うことです」

ダム式経営という考え方があります。
ダムのイメージです。
水をまず貯める。
必要なときに、必要なだけ放流する。
この考え方を提唱したのが、松下幸之助です。
松下がある講演でこの話をしたとき、
聴衆から質問が飛びました。
「どうすれば貯められるんですか」
松下の答えはこうでした。
貯めようと思うことです
聴衆は拍子抜けしたそうです。
具体的な方法を聞いたのに、
返ってきたのは意思の話だったから。
でも、これが本質です。
テクニックより先に、
先に貯めるという意思決定がある。
その順番が大事だということです。

なぜ「先に貯める」のか

売上は、コントロールでき要素も含みます。
取引先が変わることもある。
景気が急に変わることもある。
担当者が変わっただけで、
取引が止まることもある。
経営の現場では、
想定外は例外ではなく、前提です。
そのとき唯一コントロールできるのは、
残すことだけです。
売上が立つかどうかは、
どれだけ準備しても100%は読めません。
でも、入ってきたお金をどう使うかは、
自分で決められます。
だから順番が大事です。
使ってから余りを貯めるのではなく、
先に確保してから残りで動く

現金の本質は「安心」ではなく「選択肢」

現金があると、安心する。
これは正しいです。
でも、もう少し正確に言うと、
現金があると「選べる」状態になります。
いい人材が来たとき。
面白い投資機会が出てきたとき。
仕入れ条件を有利に交渉できるとき。
こういう場面で、現金がある会社は
「やる・やらない」を選べます
現金がない会社は、そもそも選べません。
攻めたくても動けない。
守りたくても手が打てない。
現金は、守りのためだけにあるのではなく、
攻めるタイミングを自分で選ぶためにあります。
だから「現金=自由」だと思っています。

よくある失敗パターン:ダムができる前に放流している

これを聞いて、「そうだな」と思っても、
実際には貯まっていない会社が多いです。
よくあるパターンはこうです。
利益が出たから設備投資をする。
節税のために使い切る。
借入が怖いから、手元が薄いまま走り続ける。
どれも、悪意はありません。
むしろ、経営的に考えているつもりです。
でも結果として、
ダムが完成する前に水を流し続けています
貯まる前に使う。
この繰り返しから抜け出すには、
順番を変えるしかありません。

ダムがある会社とない会社、場面で見ると全然違う

頭で理解するより、
具体的な場面で見た方がわかりやすいです。
いい人材が来たとき。
ある会社はその場で決断できます。
ない会社は「今は少し厳しくて…」となります。
取引先が倒産したとき。
ある会社は立て直す時間を買えます。
ない会社はそのまま連鎖しやすくなります。
設備が突然壊れたとき。
ある会社はすぐ対応できます。
ない会社は借入交渉から始まります。
違いは、能力でも運でもありません。
ダムがあるかどうかです。
ある会社は選べる
ない会社は追い込まれる

ダム式経営はスキルではなく、意思決定の軸

「どうすれば貯められますか」という質問に、
松下は「貯めようと思うことです」と答えました。
これは、財務テクニックの話ではありません。
経営者の姿勢の話です。
先に確保する。
使うのはその後。
この順番をスタンスとして持っていないと、
どんな節税策も、
どんな資金計画も結局は崩れます。
逆に、この順番が決まっていれば、
あとのテクニックはいくらでもついてきます。

経営は、順番で決まる

現金は、余ったら貯めるものではありません。
最優先で確保するものです。
経営は、順番で決まる部分があります。
まず、自社の固定的な支出
毎月いくらなのかを把握してください。
固定費(給与・家賃など)+借入金の元金返済。
その6か月分を、先に確保するイメージを持つ。
それだけで、経営の見え方はかなり変わります。
今日できることは一つです。
毎月いくら先に確保するか、
数字を一つ決めてみてください

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