こんにちは、しんこう会計事務所の新美です。
起業相談や経営相談をしていると、よくこんな言葉を聞きます。
「他にはないアイデアなんです」
「このコンセプト、絶対いけると思うんですよね」
実際に話を聞くと、面白いケースも多い。
着眼点も悪くないし、発想もユニーク。
「確かに、それはまだ世の中にないですね」と思うこともあります。
でも、その多くはそこで止まります。
「いいアイデアですね」で終わってしまい、
数か月後も何も形になっていない。
これは珍しい話ではありません。
「他にはないアイデアなんです」の罠
なぜ止まるのか。
理由はシンプルで、アイデアがアイデアのままだからです。
はっきり言いますが、
アイデアそのものに価値はありません。
アイデアは誰でも思いつくし、
一瞬で生まれて、一瞬で消えていくものです。
特にAIが台頭する今の時代、単なる「着想」は
完全にコモディティ化しています。
世の中が評価するのは、
考えたことではなく、形になったものだけ。
商品
サービス
仕組み
文章
動画
頭の中にあるうちは、存在していないのと同じです。
アウトプットされた瞬間に、初めて価値が生まれます。
ビジネスではマネタイズまで持っていって初めて意味がある
少し厳しく言えば、
ビジネスの世界ではマネタイズするところまで持っていかないと
意味がないと思っています。
もちろん、直接お金を生む形だけが正解ではありません。
業務を効率化してコストを下げる。
時間を生み、より付加価値の高い仕事に集中できるようにする。
結果として利益につながる。
こうした間接的なマネタイズも、立派な価値です。
ただし共通しているのは、
「経済的な価値にどうつながるか」が見えているかどうか。
ここがないアイデアはどれだけ面白くても、
自己満足で終わってしまいます。
クリエイターがスピードにこだわる理由
以前、デザイナーや構成作家など、
クリエイティブな仕事をしている方と話したことがあります。
何人もの人が、ほぼ同じことを言っていました。
頭の中では、良いデザインや物語は山ほど生まれている。
でも、それは一瞬で消えていく。
だからこそ重要なのは、
それをアウトプットし、具現化する手先とスピードだと。
彼らは、アイデアを一気に形にするために、
夜通し作業し、食事も後回しにし、
トイレに行く時間すら惜しんで没頭します。
それくらいのスピードで吐き出さないと、
頭の中の熱も、イメージも、精度も薄れてしまうからです。
スピードが足りなければ、やり方を変えればいい
ここで大事なのは、
「自分はそこまでできない」と諦めることではありません。
自分一人のスピードで足りないなら、
自分が成長して技術を身に付けるか、
できる人と組めばいい。
経営の世界でいえば、
- その分野に強い人材を採用する
- 外注やパートナーとして組む
これは逃げでもズルでもありません。
むしろ、経営としてはごく自然な判断です。
アイデアを形にする力を、
自分の中で補うか、外から持ってくるか。
選択肢は常にあります。
税理士や経営の仕事も、本質は同じ
もちろん、税務や経営支援の仕事は、
デザインや構成作家とは毛色が違います。
でも、本質はまったく同じです。
考えているだけでは、何も生まれない。
形にして初めて、仕事になる。
私たちが取り組んでいるオンライン税務顧問も、
YouTubeでの情報発信も、
最初から完成形があったわけではありません。
不完全でも出す。
→反応を見て直す。
→また出す。
この繰り返しの中でしか、次の景色は見えませんでした。
組織でも、アウトプットされないアイデアは停滞を生む
これは組織運営でも同じです。
「ここを直したほうがいい」
「こうすればもっと良くなるのに」
構成員がそう思っているだけの組織は、
なかなか前に進みません。
アウトプットされないアイデアは、
改善につながらず、
次第に不満や不安、愚痴へと形を変えていきます。
本来は会社を良くするはずだった考えが、
組織のエネルギーとして使われないまま溜まってしまう。
これはとてももったいない状態です。
強い組織は「まず出す」が当たり前
一方で、強い組織は違います。
アイデアを出す→行動する。→試す
→失敗する→また直す
最初から完璧を求めない。
まず外に出すことが前提になっている。
だから改善が積み上がり、
結果として成果や利益につながっていきます。
組織の強さは、こんな式で表せると思っています。
アイデア × 構成員の数
アウトプット × 構成員の数
これが揃えば、
組織が強く成長するのは自然なことです。
文化と環境をつくるのが経営者の仕事
そして最後に。
これを組織文化として根付かせるのが、経営者の役割です。
「意見は自由に言っていいよ」
それだけでは、なかなか動きません。
必要なのは、
アウトプットを前提とした環境設計です。
- ストレスのないPCやツール
- 安定したネット環境
- すぐ相談できる体制
- 試していい空気感
文化と環境は、必ずセットです。
まとめ|経営は思考ではなく、実行のゲーム
アイデアは、頭の中にあるうちはゼロ。
外に出した瞬間に、初めてスタートラインに立ちます。
経営は、思考の勝負ではなく、実行のゲーム。
考えすぎる前に、出す。
整ってからではなく、動きながら整える。
これが、僕がこれまで見てきた
「伸びる人・伸びる組織」の共通点です。
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