困っていないときこそ、組織を動かせ。


こんにちは、しんこう会計事務所の新美です。

「うちは今、特に問題ないんですよね」
顧問先の経営者から、
こういう言葉を聞くことがあります。
業績は安定している。
スタッフも大きな問題はない。
一見、理想的な状態に見えます。
でも、僕はそのたびに少し心配になります。
困っていないときが、一番危ない
今日はその話をします。

現状維持は「静止」ではなく、衰退です

現状維持、という言葉には安心感があります。
現状を「維持」しているのだから、
少なくとも後退はしていない。
そう聞こえます。
でも、現実はそうじゃない。
最低賃金は毎年上がります。
物価も上がります。
競合も、止まらずに動き続けています。
同じ売上、同じ利益を出し続けていても、
コストが上がり、競合が進化していく中では、
実質的にはじわじわと後退しています。
人も同じです。
成長意欲がなければ、
人は加齢とともに衰えていきます
「現状を保っている」のではなく、
「衰えるスピードに気づいていない」
だけかもしれません。
現状維持とは、静止ではありません。
衰退の別名です。
そしてこれは、業績が悪いときより、
うまくいっているときの方が気づきにくい
数字が出ているから、問題が見えにくい。
だから余計に怖いのです。

変化には勇気がいる。今うまくいっているときはなおさら

新しいツールを入れる。
業務の仕組みを変える。
やり方を根本から見直す。
こうした変化には、必ずコストと抵抗が伴います。
時間がかかります。
スタッフが戸惑います。
うまくいかないこともあります。
だから、困っていないときに変化を起こすのは、
勇気がいります
「今うまくいっているのに、なぜ変えるんですか」
という反応が来ることもあります。
その問いに答えながら、
前に進めなければならない。
でも、少し立ち止まって考えてみてください。
トライアンドエラーができるのは、
余裕があるうちだけです。
追い詰められてから変えようとしても、
失敗を許容する余裕がありません。
時間もない。 だから変化がもっと怖くなります。
余裕があるいまこそ、
変化を仕込むタイミングです
「今困っていないから」は、
動かない理由ではなく、
動ける理由だと思っています。
組織が本当に追い詰められたとき、
「あのとき動いておけばよかった」
と後悔しても遅い。
だから、何も起きていない平時に、
意図的に変化を入れていくことが必要なのです。

「言えばいい」わけではありません。伝え方が組織を変えます

では、経営者はどう動けばいいのか。
「変わろう」と全体に向かって言う。
それで組織が変わるなら、苦労はありません。
言葉だけでは、人は動きません。
それどころか、トップダウンで引き出した行動は、
組織の成長になりません
「言われたからやった」では、
指示がなくなった瞬間、また止まります。
大事なのは、変化が当たり前になる
仕組みと空気をつくることです。
たとえば、こういうやり方があります。

仕組みとして組み込むことです
まずは、会議の議題に
「今月変えたこと・試したこと」を入れます。
変化が「やってもやらなくてもいいこと」ではなく、
「当たり前にやること」になる構造をつくる。
仕組みになれば、経営者が毎回言わなくても、
自然とそのサイクルが回り始めます。

他社事例・第三者の声を使う
経営者が直接言うより、
「他の会社ではこうやっているらしい」
という話の方が、 スタッフに届くことがあります。
外部の専門家や顧問の言葉を借りるのも、
有効な手段です。
自分の言葉で伝えながら、他の事例として話す。
これだけで、受け取られ方がずいぶん変わります。
「社長がそう言っている」より、
「どこもそうしている」の方が、
人は動きやすいのです。

雰囲気をつくる
会議での一言、廊下での何気ない話、
経営者自身が新しいことに挑戦している姿。
そういう小さな積み重ねが、
「この組織では変化することが普通だ」
という空気をつくっていきます。
カルチャーは、宣言でつくるものではなく、
日常の言動の積み重ねでつくるものです。

正直に言うと、
うちの事務所もまだここは道半ばです。
それでも、意識してやっているかどうかで、
組織の空気は少しずつ変わってきています。

カルチャーになれば、言わなくても動く組織になります

変化をトライアンドエラーし続けることが
「普通」になると、組織は変わり始めます。
スタッフが自分で課題を見つけ、
自分で試して、結果を持ってくるようになります。
経営者が全部考えなくてもよくなります。
これが、組織が本当にスケールしていく状態です。
カルチャーとは、
誰も見ていないときの行動様式です
経営者がいなくても、指示がなくても、
スタッフが自分で動く組織。
それは一日でできるものではありません。
でも、今日の小さな一手が、
その土台になっていきます。
スタッフが自分で動くようになると、
経営者はより大きなことに
集中できるようになります。
組織の成長とは、そういうことだと思っています。

今日できること

難しいことは何もありません。
まず一つ、「変化の種」を仕込んでみてください
新しいツールの導入でもいいです。
次の会議で「最近、何か試してみたことある?」
と聞くだけでもいいです。
外部の事例を一つ、
スタッフに共有するだけでもいいです。
大きな変革でなくていい。
小さな刺激を、定期的に入れ続けること
それが、現状維持という名の衰退を止める、
一番現実的な方法だと思っています。
「今困っていないから」こそ、今日やる。
そのタイミングを、どうか逃さないでください。

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