
こんにちは、しんこう会計事務所の新美です。
年金の話って、
親世代だと毎年このへんで止まります。
- 年金って確定申告いるの?
- 控除ないし、やっても意味ないよね
- そもそも申告の義務ないし…
で、だいたい「まぁいいか」で終わる。
でも実務的には、
ここでお金が落ちてることが普通にあります。
今日は、年金受給者の
「申告が必要か/やった方が得か」を
できるだけ迷わない形にまとめます。
まず全体像:年金受給者は3パターン
年金の確定申告は、結局この3つです。
- A:申告しなくてOKな人(放置でOK)
- B:申告しなくてOKでも、やった方が得する人(放置で損)
- C:申告が必要な人(放置で危険)
このあと順番に見ていきます。
先に言うと、一番もったいないのは B です。
「義務がない」から
確認すらしない人が多いからです。
A:確定申告しなくてOKな人(まずはここを判定)
いわゆる「確定申告不要制度」
に当てはまる人です。代表的には
- 公的年金等の収入金額が400万円以下
- 公的年金等以外の所得金額が20万円以下
この条件なら、原則として所得税の確定申告は
不要になるケースが多いです。
ただ、ここで安心しすぎるのが
落とし穴になります。
理由は2つあります。
1つ目は、「収入」じゃなく「所得」で判定すること。
「パート収入が20万円超えたらアウト?」
みたいに、
収入だけで判断しがちですが、違います。
見るのは収入ではなく所得です。
例えば給与なら給与所得控除があるので、
収入がそこそこあっても、
所得は思ったより小さくなります。
2つ目は、所得税が0円でも終わりじゃないこと。
住民税や保険料(国保・介護保険など)は
所得情報で判定されるので、
確定申告で翌年の負担が変わることがあります。
B:申告しなくてOKでも、やった方が得する人(還付・節約パターン)
年金受給者は
「申告いらない=自分は関係ない」と思って、
書類を開きません。
でも実務では、ここが一番戻る
可能性があるところです。
1)控除がある人は、申告すると戻ることがある
代表例はこのあたりです。
- 生命保険料控除/地震保険料控
- 医療費控除
- ふるさと納税(ワンストップ特例を使ってない場合)
会社員なら年末調整で勝手に拾われる控除も、
年金はそうはいきません。
拾いにいくなら、基本は申告です。
2)医療費控除:10万円じゃない。「所得の5%」が効く人が多い
医療費控除って「年間10万円超えたら」
と覚えられがちですが、正確には
- 原則:10万円
- ただし:総所得金額等が200万円未満の人は「総所得金額等×5%」
年金受給者は、ここ(200万円未満)に
入ることがけっこうあります。
「所得200万円未満」って言われても
ピンと来ないと思うので、
ざっくり目安で言うと
- 公的年金だけ
- 65歳以上
この前提なら、
年金収入がだいたい310万円前後以下の人は
「所得200万円未満」になりやすいです。
例を出します。
- 年金収入:250万円(65歳以上・公的年金のみ想定)
- 所得の目安:250万円−110万円=140万円
- 5%:7万円
この場合、医療費が8万円でも
「10万円いってないけど控除対象」になり得ます。
3)控除がなくても「申告するだけ」で戻ることがある(ここ超重要)
ここが意外と多いです。
個人年金保険(民間の年金)や企業年金は、
支払時点で源泉徴収(税金の天引き)が
多くされている場合があります。
このとき、医療費控除や保険料控除がなくても、
確定申告で精算すると
- 天引きされすぎていた
- 本来の税額はもっと低かった
という理由で、還付になることがあります。
僕も依頼を受けて資料を見たら
「これ戻りますね」と分かって、
過去分をまとめて還付申告したケースは
何度もあります。
「控除がないから申告しても意味ない」は、
ここでは普通に間違いになります。
C:確定申告が必要になりやすいケース(放置で危険)
次に当てはまるなら、
「申告不要だから放置」は危険です。
- 年金以外の所得が増えている(不動産・事業・副業など)
- 株取引の損益通算や繰越をしたい(やるなら申告が前提)
- 外国の制度に基づく年金を受け取っている(外資系出身などで稀にあります)
最後の外国年金は、扱いがケースで変わるので、
心当たりがあるなら最初から個別確認が安全です。
還付申告は何年さかのぼれる?
還付申告は、原則5年さかのぼれます。
去年だけじゃなく「数年まとめて戻る」が
普通にあります。
これ、親世代にとってはかなり大きいです。
「今さらやっても…」じゃなくて、
「今だから意味がある」こともあります。
親孝行は「源泉徴収票を一緒に見る」だけで成立する
年金の確定申告って、構えると面倒に見えます。
でも最初の一歩は、ほんとこれだけです。
- 公的年金の源泉徴収票
- 個人年金保険・企業年金があれば、その支払通知(源泉ありなし)
- 医療費・保険・ふるさと納税の有無(ざっくりでOK)
これが揃うと、
「申告不要」「申告したら戻る」「申告必須」
がだいたい把握できます。
“申告の義務がない人ほど、そもそも確認しない”
だから、最初のきっかけだけ
作ってあげるのが一番効きます。
📺 YouTubeチャンネルはこちら!
▶️ にいみ税理士のお悩み相談室(YouTube)
「にいみ税理士のお悩み相談室」では、
日々の会計・税務・経営支援の現場で
よくあるお悩みや、節税の考え方やポイント、
資金繰り、事業計画のヒントなどを、
やさしく・わかりやすく解説しています。
気になる方は、
ぜひチャンネル登録もよろしくお願いします!