「過程が大事」は、経営を詰ませる。

こんにちは、しんこう会計事務所の新美です。
経営者の方と話していると、
たまにこう言われます。
「結果より過程が大事ですよね」
もちろん、一理あります。
でも、経営の世界で“結果に繋がらない過程
を美化し始めた瞬間、
会社は確実に弱っていきます。
今日は、あえてドライに
「結果と経営」の話を書きます。

経営は、残酷なほど「結果の世界」

経営の本質は、驚くほどシンプルです。

  • 結果が出る → お金が残る → 続けられる
  • 結果が出ない → お金が残らない → いつか終わる

綺麗事抜きで、利益とキャッシュが残らないことは
倒産」へのカウントダウンを意味します。

お金がなくなれば、
取引先も従業員も不安になり、離れていく。
逆に、結果を出し続ければ、
自然と人は集まってくる。
世の中、そんなもんです。

「日本一うまい」と「日本一売れてる」は別物

僕がよく使う例があります。
日本一うまい」と「日本一売れてる」は、
構造が全然違う。
寿司でもそうですが、
ハンバーガーならもっと分かりやすい。
「ハンバーガーといえば?」で多くの人が
思い浮かべるのはマクドナルド。
でも「一番うまいハンバーガーは?」
と聞いたら、答えは割れます。
どっちが正しい、じゃない。
目的が違うだけです。

思い浮かぶ(想起される)
全国どこでも同じ体験ができる
早い、安い、一定以上においしい
大量に提供できる(オペレーション)
こういう“構造”を作れると、強い。
ここが経営の冷たいところで、
同時に最高に面白いところでもあります。

「うまいものを作れる」だけじゃ足りない。けど、何が“勝ち”かは会社次第

よく言うと、「うまいものを作れる」だけではなく、
売れる構造を作れる”が強い。
ただ、ここも大事なので補足します。
何が勝ちなのかは、会社が目指す先で変わります。

  • とにかく拡大して市場を取りたい会社の勝ち
    →売上、シェア、店舗数、LTV
  • 少人数で高付加価値を提供したい会社の勝ち
    →粗利、利益率、指名、リピート、紹介
  • 職人性や作品性を貫きたい会社の勝ち
    →熱狂、ブランド、満足度、コミュニティ
  • 地域で必要とされ続ける会社の勝ち
    →継続、信用、離職率の低さ

つまり「売上至上主義になれ」じゃない。
自社が目指す「勝ち(=生き方)」に対して、
結果が出る構造を作れ、という話です。

「理解」より「点数」が先。受験と経営の共通点

受験勉強も同じです。
どれだけ深く理解しても、
点数が取れなければ不合格。
誤解しないでほしいのは「理解なんていらない」
と言いたいのではありません。
「結果(点数)に繋がる動きに
フルコミットできているか?」
という問いが重要なんです。
ビジネスも同じ。
「いい商品なんです」だけでは、誰も救えません。
売れる仕組み”までセットで考えるのが、
経営者の責任です。

結果にコミットするステップ(ここが実務)

精神論にすると薄くなるので、
現場で使える形に落とします。

1)まず「勝ち」を言語化する
売上なのか、利益率なのか、
継続なのか、採用なのか。
会社としての“勝ち”を言葉にする(できれば1文)。

2)次に「結果」を1つに絞る(今期・今月の最重要KPI)
結果を並べると、人も組織も散ります。
今いちばん大事な結果は何か。1つに絞る。
例)
粗利額/新規契約数/継続率(解約率)/採用応募数/商談化率

3)“先行指標”に落とす(行動に変換する)
結果(売上など)は遅れて出ます。
だから先行指標に落として、
やることを明確にする。
例)
売上 → 商談数 → 提案数 → 初回面談数
継続率 → 初月オンボ完了率 → 定例実施率
採用 → 面談設定数 → スカウト返信率

4)定期的にPDCAを回す
週次でも隔週でも月次でもいい。
重要なのは頻度より、
PDCAの最後に「捨てる/伸ばす」
が決まっているかです。

  • 何をやったか(Do)
  • どれだけやったか(Doの量)
  • 数字はどう動いたか(Check)
  • 次に何を変えるか(Act)

この「Act」が入った瞬間に、
過程が“資産”になります。
逆にActがない会議は、
ただの振り返りで終わります。

5)捨てる(これが一番難しい)
反応がないのに惰性で続ける。
うまくいかない導線を放置する。
気合いで押し切ろうとする。
これ、全部「過程の美化」に近い。
結果が出ないなら、撤退して次です。

それでも「過程が大事」な場面はある

過程には意味があります。

次の施策のヒントになる
チームの型が残る
学習が積み上がる
将来の勝ち筋が見える

ただし条件があります。
資産として残る過程だけが価値です
検証も記録もなく消えていく過程は、
経営ではただの「浪費」です。
逆に、失敗しても「なぜダメだったか」
のデータが残るなら、
それは次への「投資」になります。

数字が動いた理由。動かなかった理由。
成功の再現条件。失敗の地雷。
これが残る会社は、強くなります。

まとめ:結果を出せ。だけど、意味も失うな。

結論、僕はこう考えています。
結果にフルコミットする。
ただし、MVV(理念)をガードレールにする。
結果が出ない会社は潰れます。
でも、結果だけを追って存在意義を失った会社は、長くは続きません。

この「生存」と「意義」の両立。
難しいバランスですが、ここを取りにいくのが
経営の醍醐味だと思っています。
そして、
税理士として多くの数字を見てきたからこそ、
綺麗事ではなく「勝てる構造」を一緒に作りたい。
そう願っています。

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