こんにちは、しんこう会計事務所の新美です。
創業直後の相談で、本当に多い質問があります。
「これって経費になりますか?」
この質問、気持ちはめちゃ分かります。
創業期ってキャッシュが不安定だし、税金も怖い。
だから「経費で落とせるなら落としたい」
と思うのは自然です。
ただ、ここで最初に結論から。
経費になるかどうかは、
売上に貢献しているか。
事業に関係があるか。
つまり、事業性があると自信を持って
言えるかどうかです。
「経費になるか」は“モノ”じゃなくて“使い方”で決まる
「居酒屋は経費ですか?」
「ゴルフは経費ですか?」
「スーツは経費ですか?」
「スタバのコーヒーは経費ですか?」
こういう質問って、“品目”で
○×を決めたくなるんですよね。
でも実務は逆です。
同じ支出でも、使い方次第で
○にも×にもなります。
- 家族との外食なら×寄り。
- 取引先との打ち合わせなら○寄り。
- スタバでも、ただの休憩なら×寄りだけど、
- 仕事として必要な滞在なら○寄り。
だから見るべきはいつも
「何を買ったか」より「なぜ必要だったか」です。
大前提:脱税はNG。でも節税はやるべきです
架空経費を入れる。
私用の支出を無理やりねじ込む。
こういうのは当然NGです。
でも、脱税がNGだからといって
「節税までやめる」のも違う。
事業に紐づく支出を、正しく経費化して、
キャッシュを残す。
これは経営です。
大事なのは「ねじ込む」じゃなくて、
事業性のある支出を、事業性のある形で残すこと。
スタバ(カフェ)で仕事した費用は経費になる?
ここ、めちゃくちゃ聞かれます。
結論はこう。
仕事として必要な滞在であれば、
コーヒー代などは経費になり得ます。
判断のポイントは
「売上に貢献しているか/事業に関係があるか」。
例えば、こういう理由なら説明が立ちやすいです。
- 仕事に関係する資料作成をしていた
- 業務に直結する勉強をしていた(単なる自己研鑽だと弱い)
- 取引先との打ち合わせ前に、近くで事前の整理をしていた
- 面談や移動の合間に、作業場所として必要だった
一昔前より、リモートワークやノマドは
増えています。
「カフェ代は経費にならない」
と言い切る人もいますが、結局はここです。
税務署に聞かれた時に、
仕事のために必要だったと説明できるか。
逆に、カフェに行っていても
- 単なる休憩
- 気分転換
- ただの食事やおやつ
この場合は、プライベート扱いに
なりやすいので注意です。
1人飲食は経費になる?ここが一番の沼です
これも、創業者やフリーランスから
本当によく聞かれます。
まず現実的な話をすると、1人飲食はどうしても
「生活費に見えやすい」
これが最大の論点です。
だから、
「仕事してたから会議費です」
「仕事の打ち合わせのつもりでした
(相手はいないけど)」
みたいな雑な説明は、かなり危ない。
じゃあ、1人飲食は全部ダメかというと、
そうでもなくて、例外はあります。
たとえば、
- グルメ系の発信をしていて、食べること自体がコンテンツになる
- 市場調査として、その店の価格帯やサービスを確認する必要がある
- 外出先で、商談や面談前の資料修正が必要で、場所確保として飲食が付随している
- 取材やインタビュー目的で店を利用した
この場合は、事業性の説明が立ちやすい。
ただし、ここでも結局は同じです。
「食事だから経費」ではなく、
「事業のために必要だったから経費」
ここを取り違えないのが大切です。
経費で落とすなら「記録」が命。レシートメモだけで勝率が変わる
税務調査って、最後はこれです。
「誰と」
「何の目的で」
「何につながる支出だったのか」
この説明ができないと、かなり苦しい。
だからおすすめはシンプル。
レシートの裏(または会計ソフトのメモ)に、
1行だけ残す。
例)
- ◯◯社訪問前の整理(提案資料作成)
- 面談前の資料修正(○/○打ち合わせ準備)
- 市場調査:同業の価格帯確認
- 取材:メニュー内容の確認
- れだけで、説明の強さが変わります。
- ヶ月後の自分は、だいたい忘れてます。
「按分」は難しくない。個人事業主の“切り分け”です
家賃・携帯・車・ネット。
このあたりは、
仕事とプライベートが混ざるのが普通です。
個人事業主の場合は、
生活と事業が同じ人格の中で混ざるので、
仕事で使った分だけを切り出して
経費にする必要が出てきます。これが按分です。
たとえば、
家賃が10万円で、仕事部屋が面積の2割なら、
2万円を経費にする
こんなイメージ。
法人は生活しないので、
同じ感覚で「家事按分」というより、
会社の支出なのか、役員個人の支出なのかを
入口で分ける発想になります。
スーツ(被服費)はどう考える?
スーツも相談が多いです。
一般論で言えば、
スーツはプライベートでも使える。
だから「仕事で着るから全部経費」
と言い切るのは難しくなりがちです。
ただ、ここでも判断は同じ。
事業専用と言える実態があるか。
たとえば、会社名やロゴが目立つ形で
入っていて制服の役割がある。
特定の業務でしか着ない。
生活側で使わない運用ができている。
こういう実態が強いほど、
説明はしやすくなります。
今すぐできる「経費の正解」チェックリスト
迷ったときは、
この3つだけやっておけば大丈夫です。
1 .物理的に分ける
事業用の口座・カードで決済する
2.事実を添える
レシートに「誰と・何の目的で」を即メモ
3 .5秒で答える
これは売上のために必要でした、
と即答できるか確認
これができているだけで、
税理士からの信頼も、税務署への説得力も
格段に変わります。
最後に:経費の話を「言い訳」にしない
経費判断がこじれる時って、だいたい
-
- 実態が弱い
- 記録がない
- でも経費にしたい気持ちが先に立っている
このパターンです。
創業期は、テクニックより先にこれ。
事業性のある支出を、事業性のある形で残す。
迷ったら、判断軸に戻ってください。
この判断軸がブレると、
経費としての認否だけじゃなく、
経営の意思決定そのものがブレます。
事業に紐づいていると、自信をもって言えるか。
これが結局、一番強いです。
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