「去年の答え合わせ」で経営していませんか?月次決算が会社を強くする本当の理由

こんにちは、しんこう会計事務所の新美です。

「年1回の決算」は、税務上もちろん大事です。
ただ、あえて厳しく言うと、
経営に使うには遅すぎることがほとんどです。
経営は、過去を眺めることではなく、未来を作ること。
そのために必要なのが、月次決算です。
今日は、なぜ年次決算だけだと危ういのか。
そして、月次が整うと会社がどう変わるのかを書きます。

経営の神髄は「未来と現実のズレ」を回収し続けること

僕が考える「経営の神髄」はシンプルです。

未来の数字(計画)を置く。
現実の数字(実績)を早く見る。
ズレを見つける。
原因を仮説立てして、改善する。

これを淡々と、回し続けることです。
決算書は「過去の確定した記録」です。
でも経営は「未来の修正」そのもの。
だから必要なのは、反省の深さより、修正の早さです。

このサイクル、月次が出ていないと始まりません

計画と実績を比べて改善する
これは月次が出ていないと成立しません。

月次が遅いと、比較が遅い。
比較が遅いと、気づきが遅い。
気づきが遅いと、改善が遅い。

結果として、ズレが育ちます。
年1回の決算だけで見ていると、
「気づいた時にはもう打ち手が限られてる」
が起こりやすいんですよね。

理想は翌月10日。でも、まずは翌月末でいい

月次は「出すこと」以上に、意思決定に間に合う鮮度が大事です。
理想を言えば、翌月10日くらいまでに
先月の数字が固まっている状態。
そうすれば、今月の動きを早めに修正できます。
ただ、現実はそんなに簡単じゃない。
証憑が集まらない、入力が属人化している、締めのルールが曖昧。
いろいろ詰まります。

だから僕は、最初のゴールをこう置くことをおすすめしています。
翌月末までに、前月分を必ず締める
完璧じゃなくていいです。
まずは「毎月締まる」というリズムを作る
ここが、経営を変える最初の一歩になります。

月次が回ると、経営も組織も強くなる

月次の価値は「数字が見える」だけじゃありません。
会社経営と組織に、はっきり効いてきます。
まず、数字の早期発見システムになります。
ズレって最初は小さいので、放置されがちです。
月次があると、売上の弱さ、粗利の悪化、固定費の増加
みたいな兆しを早い段階で拾えます。
大きくなってから直すのと、小さいうちに直すのでは、
難易度がまるで違います。
次に、行動計画に落とし込みやすい
年1回の決算は「振り返り」で終わりがちですが、
月次は「今月どうする?」に直結します。
どこがズレた?何をやめる?何を増やす?今月の打ち手は?
ここまで落ちるので、経営のスピードが上がります。
そして、社員・チームの意識合わせができます。
数字がない組織は、どうしても空気で動きます。
月次で現在地が共有されると、目標が揃って、
余計な不安が減って、現場の判断も早くなる。
結果として、チームの動きが揃いやすくなります。

融資の場面で効く。「数字がすぐ出る会社」はそれだけで強い

金融機関が見ているのは、過去の決算書だけではありません。
むしろ実務では、「いま会社がどうなっているか
をどれだけ説明できるかが大きいです。
月次が整っていれば、先月までの数字を前提にして、

  • 今どこが良くて、どこが悪いのか。
  • 何が要因で、何を手当てしているのか。
  • 今後どういう見込みで、どんな資金が必要なのか。

この話ができます。

逆に、月次が遅いとどうなるか。
直近の数字が固まっていないので、
説明がどうしても寄りになります。
金融機関側も判断材料が少ないので、慎重になります。
これは当たり前です。

月次が整っている会社は、融資を有利に進めるというより、
そもそも融資の土台である「信頼」を積み上げられます。
そして何より、社長自身が数字を前提に話せるようになる。
ここが一番大きいです。
月次が回っているだけで、金融機関との会話の質が変わります。

まず月次。そこから経営が回り出す

経営の神髄とは、未来(計画)と現実(実績)のズレを早く見つけて、
改善し続けること。
そのための前提が、月次決算です。
月次が整えば、神髄が回り始めるだけでなく、
早期発見・行動・意識合わせ・融資対応まで、
一気に会社が強くなります。

「うちは月次が遅いな」と感じる方は、
まずは精度よりも、翌月末までに必ず締める
というルール作りから始めてみてください。

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