高いものを出すと、安いものが売れる。


こんにちは、しんこう会計事務所の新美です。

最近、「高い商品を出すのは勇気がいる」
と話す経営者が多いです。
その気持ちは痛いほど分かります。

でも、実はその“勇気”こそが、
会社を価格競争から脱却させ、利益を安定させる鍵なんです。
なぜなら、“高い商品” があるからこそ、
“安い商品” が売れるというマーケティングの鉄則があるからです。

コーヒーも、もともとは貴族の飲み物

いまやコンビニでも100円で買えるコーヒー。
でも、もともとは“貴族の嗜好品”でした。
ヨーロッパでは上流階級の人しか飲めなかったそうです。

やがて、上質な味を求めるアッパー層がハマり、
その姿に憧れた人たちが一般層として追いかける。
結果、現代のように「誰でも飲む日常の飲み物」になりました。

つまり、“最初に高いものを出す” ことで市場が育つ。
コーヒーは、アッパー層が先に価値を見出したことで、
全体が広がったわけです。

飛行機も同じ構造

航空業界でも、似たような構図があります。
エコノミークラスだけでは採算が取れず、
利益の多くはビジネスやファーストクラスといった
“ハイエンドライン” が支えています。

ある調査では、ビジネス旅行客は旅客全体の12%しかいないのに、
航空会社の利益の最大75%を生み出している
というデータもあります。

“高価格ライン” があるからこそ、“低価格ライン” が提供できる。
まさに、「高いものが安いものを支える」構造です。

物価も、賃金も、もう下がらない

ここ数年、「物価高対策」という言葉をよく耳にします。
でも正直、一度上がった物価はもう下がらない と思っています。

原材料費、人件費、物流費、すべてが上昇傾向。
そして 賃金は特に下がりにくい

これは以前書いた
『最低賃金がまた上がる。1,121円から1,500円は夢か、現実か?』
でも触れましたが、この流れはもう止まらないと感じています。

つまり、コスト構造が変わっている以上、
「安く売って利益を出す」モデルは限界を迎えています。
だからこそ、“高価格商品” を設計し、
利益率の柱をつくることが経営の必須条件です。

ビジネスクラスがあるからエコノミーが飛べるように、
“高い商品” があるからこそ “安い商品” を守れる。
経営構造としても、まさに同じ原理です。

高いものは、“ブランドの入口”になる

高い商品・サービスは、単に儲かるためのものではありません。
「うちはここまでの価値を提供できる」という信頼の象徴です。

スターバックスのリザーブ、AppleのProモデル。
どちらも一部の人しか買わないけれど、
その存在がブランド全体を底上げしています。

私自身、会計事務所を経営していて強く感じます。
“安さ”だけを売りにしたサービスでは、
結局、信頼やブランドは育たない。
価格には、覚悟が宿ります。

高いものを出す=覚悟を見せること

「安くていいものを届けたい」という想いも大切です。
でも、経営者としては“高くても選ばれる”ラインを持つことが必要です。

高価格ラインを磨くと、ブランド全体の価値が上がる。
そしてその努力は、安いラインの信頼や集客にもつながる。

高いものを出すのは、見栄ではありません。
それは、ブランドを磨く覚悟 です。

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